【保育学生さん向け】履歴書の正しい書き方は?記入ポイントまとめ集

2021.04.07 | 就職・転職
就職活動時に、履歴書の書き方について悩む方も多いかと思います。
保育園の採用担当者の印象に残るためには、どのような履歴書作成を心掛ける必要があるのでしょうか。
履歴書の基本的な書き方や、採用担当者が特に注目する志望動機や自己PR欄の書き方のコツについて、解説します。

履歴書の記入で気をつけるポイントとは?

採用活動時期を迎えると、保育園には志望者からたくさんの履歴書が送られてきます。

忙しい採用担当者はその一つひとつを確認し、直接会って話をしてみたいと思う学生をピックアップします。ということは、履歴書一通で就職活動の次のステップに進めるかどうかが判断されるということです。

どのような履歴書が一次選考を通過するかというと、採用担当者に良い印象を残した履歴書となります。

以下では、履歴書を作成するうえでの基本ポイントをいくつかご紹介します。

■下書きをする

履歴書は、ボールペンでの記入が必須です。

ただし、いきなりボールペンで本番書きを始めずに、まずはシャープペンシルなどで下書きをし、内容を確認のうえ清書しましょう。

また、自己PRや志望動機など、特に選考に影響が大きいと考えられる重要なポイントについては、下書きを別紙にしておくと安心です。

心配な場合は一度履歴書をコピーし、下書きを作成しておくのもいいでしょう。


修正テープは使わない

もし、書き損じた場合は、修正テープなどを使用せずに新しく書き直します。

「このくらいは大丈夫なのでは?」と安易に修正テープを使用すると、応募先の園に志望度が高くないと判断されることもあるので注意してください。


■園に合わせた内容にする

当たり前のことですが、履歴書は応募する保育園によって内容を変更する必要があります。

氏名や生年月日、学歴や資格欄などの基本事項についての記入内容は変わりませんが、志望動機や自己PRに関しては応募する園によって内容を見直しましょう。

たとえば、異年齢児保育を実施している園に履歴書を書いて、その内容をそのまま他の園に使いまわそうとしたとします。そうすると、異年齢児保育をしていない園の志望動機に「異年齢児保育に興味があります」と書いてしまうような事態に陥ります。

このようなわかりやすいミスをする人は少ないかと思いますが、使いまわされている履歴書を、採用担当者はすぐに見抜きます。

担当者からすれば、自分たちの園の特色や教育理念を理解したうえで履歴書を作成し、応募してくれている応募者を採用したいと思うのは当然のことです。

「この履歴書は使いまわされたものなのでは?」と思われた時点で、次の選考には進めない可能性が高いことを頭に入れておきましょう。

応募する保育園の特色を一つひとつ理解したり、教育理念を把握したりするというのは大変そうに聞こえるかもしれません。

しかし、自分が実際に仕事をすることになるかもしれない保育園を選ぶ作業です。どんな保育園かよくわからないまま就職するのは、自分にとってもリスクが大きいと考えましょう。

多少時間がかかっても、その保育園について理解を深め「ここで働きたい!」と思える園に応募することが、就職活動を成功させる鍵となります。

そのようなプロセスで準備を進めれば、自然と一つひとつの園にしっかりと向き合った履歴書を作成することも可能なのです。


■見直しをする

履歴書を書き終えたら、内容に不備がないか必ず見直しましょう。

資格欄などは資格の正式名称を後で調べようと仮に記入し、ついうっかりそのまま提出してしまうケースもありますから、注意が必要です。

また、志望動機や自己アピール部分は、音読で読み上げてみると、文章の違和感に気づけることがあるため、おすすめです。

それでも不安な場合は、両親や友人に最終チェックをしてもらうのもいいでしょう。

■準備をする

履歴書を書く前には、履歴書や記入するボールペンなどの準備も必要です。以下で、準備するものをまとめたので、参考にしてください。


・履歴書

就職活動において、履歴書は学校で販売されているものを使うのが一般的です。

もし学校で販売している履歴書がないという場合は、JIS規格の履歴書を使用しましょう。

JIS規格は「日本工業規格(Japan Industrial Standards)」の略称で、日本における履歴書の工業規格です。全国で統一された、履歴書のフォーマットと考えていいでしょう。

100円ショップなどでも履歴書は販売されていますが、就職活動などの場ではJIS規格のものを使用するのが一般的です。

「就職活動では学校の履歴書、それが入手できなければJIS規格のものを使う」と覚えておけば、間違いありません。


・ボールペン

履歴書を書く際には、油性またはゲルインクのボールペンがおすすめです。

水性ボールペンは書き心地が滑らかで、好んで使う人も多くいますが、乾きにくいため擦れやすく、水にも滲むというデメリットがあります。油性またはゲルインクのボールペンを使用すれば、履歴書の裏に移ることもなく、滲まず、かすれることもありません。

また、ノートや手帳を書くのに便利な、消せるボールペンも履歴書にはNGです。

修正液を使ってはいけない履歴書なので、「消せるボールペンは便利では?」と思うかもしれません。しかし、摩擦熱でインクが消えるので、直射日光やコピーなどをとる際に生じる熱でもインクが消えたり、文字が薄くなったりしてしまう恐れがあります。

たとえば、採用担当者が履歴書を他の担当者に見せるためにコピーをとったら、履歴書の文字がその熱で消えてしまうということです。

履歴書が確認できなければ、選考に残るのは当然難しくなります。

そのような事態を避けるためにも、履歴書を書くときには、消えるボールペンは使用しないと覚えておいてください。


履歴書の項目別ポイント【基本情報編】

履歴書を書くときに注意しておきたいポイントを、項目別に確認していきましょう。

まずは、基本情報編です。


■氏名・年齢

氏名を書くときは、姓と名の間にスペースを空け、読みやすいようにします。

履歴書は丁寧に記入することが大事ですが、名前は特に一画ずつ丁寧に記入しましょう。

氏名に入れるふりがなを、ひらがなにするか、カタカナにするか迷う人もいるようですが、履歴書の書き方に合わせます。「ふりがな」と書かれていたらひらがな、「フリガナ」と書かれている場合はカタカナで記入する、ということです。これは履歴書の氏名欄に限らず、一般常識となりますから、覚えておきましょう。

年齢を記入する欄には、履歴書を書いた日の年齢を記入します。

ちなみに、履歴書の枠外にある日付欄にも、履歴書を提出する日を書きます。

郵送する場合は発送する日、メールで提出する場合はメール送信日、持参する場合は持参する日を記入するという理解で問題ありません。

送付状を入れる場合や封筒に日付を書く場合は、その日付も履歴書と同じ日を書きます。

年に関しては、西暦でも和暦でも問題ありませんが、履歴書上で統一する必要があります。

数字に関しては、算用数字で統一しましょう。


■住所

住所を記入するときは、都道府県を省略しないですべて記入します。建物名についても、必ず正式名称を記入してください。

また、郵便番号や建物名、ふりがなも省略したり、記入し忘れたりしないようにしましょう。



■連絡先(電話番号、メールアドレス)

連絡先には、日中連絡がつきやすい携帯電話の番号や、メールアドレスを記入しましょう。

一人暮らしをしているなどの理由から、自宅に固定電話がないケースもあると思います。その場合は、携帯電話の番号だけでも問題ありません。

メールアドレスに携帯電話のメールアドレスを連絡先に記入する場合は、保育園のメールアドレスを受信許可しておく必要があります。携帯電話のメールアドレスを記入したくない場合は、フリーアドレスを取得して記入するのも一つの方法です。

スマートフォンやタブレットですぐに確認できるアドレスを記入するのが、マナーと考えましょう。

また、記入時には大文字と小文字がしっかりと区別できるように気をつけてください。


■顔写真

履歴書用の顔写真は、履歴書に記載されているサイズのものを使用しましょう。

基本的に、就職活動用の履歴書写真はスピード写真ではなく、写真スタジオで撮影

したものを使用します。就職活動に対する真剣な姿勢を伝えることにも役立つため、少しお金はかかりますが、必要経費と考えて用意しましょう。

また、写真は3カ月以内に撮影したもので、カラーのものを用意します。正面から撮影されているバストアップ写真を、就職活動にふさわしい清潔感のある服装や髪型で撮影するようにしてください。

履歴書は、文字だけの情報で応募者を見極める必要があります。そのような限られた情報の中、顔写真の印象も大きな判断材料となることがあるのです。

保育士という仕事柄、相手に安心感を与えられるような柔らかな雰囲気を演出できるように、口角を少し上げて撮影に挑みましょう。

前髪も、印象を左右するパーツとなります。暗い印象を与えないように、少しおでこを見せるように前髪を整えてあげると、明るい印象になります。撮影前には、鏡で整えるようにしてくださいね。

また、写真を履歴書に貼るときは、万が一はがれてしまったとしても誰の写真かわかるように、写真の裏側には氏名を記入しておきましょう。

さらに、写真を貼った後に履歴書を書くと、書き損じてしまうこともありますから、写真は最後に貼ることをおすすめします。

履歴書の項目別ポイント【学歴編】

学歴を記入する欄にも、書き方のポイントがあるため、おさえておきましょう。

学歴記入欄には、卒入学年度を記入する欄があります。この欄を記入する前には、まず履歴書全体が西暦で記入されているか、元号で記入されているかを確認し、統一しましょう。

義務教育については記入しなくても問題ないため、高校卒業・専門学校卒業以降の学歴を記入していきます。学校名は、省略せずに正式名称で記入し、特に「高校」と記入しがちですが、丁寧に「高等学校」と書くようにしてください。

また、浪人した場合、その記載をどうしたらいいか迷うかもしれませんが、こちらは履歴書では触れる必要はありません。予備校に通っていた場合も、それは正式な学歴として扱われませんので、記入不要です。留年の場合も同様に、記入する必要はないと考えましょう。

履歴書の学歴欄はあくまで「入学年月」「卒業年月」を記載するものと覚えておくと、迷ったときに判断しやすくなります。

ただ、就職活動中の学生のみなさんは、基本的にまだ学校に在籍している状態だと思います。

その場合は、「〇〇大学在学中」などと記入すれば問題ありません。

履歴書の項目別ポイント【志望動機・自己PR編】

履歴書には、基本情報のほかに志望動機や自己PR欄など、採用担当者が注目する項目があります。


■園の保育方針や求める人物像をチェック

志望動機や自己PRを書き始める前に、まず園の保育方針や、園側が求める人物像などをチェックしましょう。そして、その方針に自分が賛同できるか、園側が求める人物像に自分を近づけられるかを考えていきます。

自分の考える保育や、自分のタイプと園が求める人物像にあまりにも違いがある場合は、その園に応募すること自体考え直す必要があると考えましょう。

無理に園の求めるタイプに自分を合わせたり、嘘をついたりする必要はありません。ただ、多少努力すれば自分はその人物像に近づけるかもしれないと思う場合で、志望度が高い場合は、多少調整することも必要です。

保育園が「この子と一緒に仕事をしたい」と考えてくれるように、園の考えに賛同できる部分や、園での取り組みで自分も挑戦してみたいこと、園が求める人物像に自分がリンクする部分などはしっかりと伝えるようにしましょう。


■記入欄は埋める

志望動機や自己PR欄は、なるべく空白ができないように、枠いっぱいに記入するようにしましょう。

空白が多いと、消極的な印象を与えてしまいます。

やる気や情熱を伝えるためにも、志望動機や自己PR欄はしっかり埋めましょう。

ただ、あまり小さな字で書いてしまうと、読みにくい印象となってしまい、採用担当者がきちんと読んでくれない可能性もあります。

読みやすく、丁寧に適度なサイズの文字で記入するようにしてください。

自己PRの書き方については、以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

保育士面接でベストな自己PRを行うには自己分析がポイント!

Web履歴書で注意すべきポイントは?

最近は、Web履歴書での応募に対応している保育園も増えてきました。スマートフォンやタブレット、パソコンなどで手軽に作成できるのが、Web履歴書のメリットでしょう。

紙の履歴書と基本的な書き方は変わりませんが、Web上だからこそ注意しなくてはならないポイントや、書き方のコツもあります。


■文字化けがないか確認する

Web履歴書を提出する前には、文字化けがないかをしっかりチェックしましょう。

文字化けしたものを送付してしまうと、いい加減な印象を与えてしまいます。

また、変換ミスにも注意が必要です。

作成が完了したら、必ず読み返してチェックしましょう。

手書きなら気がつくような誤字も、Web履歴書で誤変換すると気づきにくく、そのまま送信してしまうケースもあるようです。


■入力方法を工夫する

Web履歴書の場合、長文を書き連ねると読みにくく、何が言いたいのかよくわからなくなってしまうこともあります。

ポイントを採用担当者にわかりやすく伝えるために、たとえば箇条書きにするなどの工夫をしてみてください。

■PDFファイルに変換する

履歴書をメールに添付する際には、PDFファイルに変換するのがマナーです。

WordやExcelを使って作成した場合も、そのまま送付せず、PDFファイルに変換しましょう。PDFファイルに変換しないで送付すると、レイアウトが崩れて読みにくくなる可能性もあり、第三者による加筆や修正も可能な状態となります。

採用担当者に必要以上の手間をとらせないためにも、PDF変換は必須と考えてください。

WordやExcel をPDFファイルに変換するのは、実はとても簡単です。

1.WordまたはExcelファイルを開き、左上の「ファイル」をクリックします
2.「名前を付けて保存」を選びます
3.「ファイルの種類」を「PDF」にして保存します

2までの工程は、レポート作成などで多くの人が経験したことがあるのではないでしょうか。PDFファイルに変換するためには、最後に保存するファイルの種類をPDFにするだけでOKです。


・PDF変換における注意点

注意しておきたいのが、PDFファイルに変換する前のWord・Excelファイルの保存です。

というのも、PDFファイルに変換したら、送付する前に必ず一度PDFに変換したファイルを開いて内容を確認し、もし問題がある場合はオリジナルであるWord・Excelファイルを修正する必要があるからです。

PDFに変換すると、WordやExcelではきちんと表示されていた最後の行や文末の文字が隠れてしまい、表示されないことがあります。

そうなると、採用担当者に正しい情報や志望動機などを伝えることができなくなってしまうので、少し手間に感じるかもしれませんが必ず確認しましょう。

レイアウト崩れについても、このときにチェックします。

もし文字が消えていたり、レイアウトが崩れていたりしたら、もう一度WordやExcelファイルを開いて手直しをし、PDFファイルに保存し直してください。


■ファイル形式とファイル名に気を付ける

履歴書ファイルの名前の付け方に決まりはありませんが、採用担当者が数多くの履歴書を受け取り、内容を確認することを考えると、一目見れば「どこの」「誰の」「何の」ファイルか確認できるように名前を付けることをおすすめします。

「履歴書_学校名_氏名.PDF」という名前を付けておくと、分かりやすいでしょう。

もし、ファイル名に日付を入れたい場合は、メールを送付する日付を入れるようにします。

履歴書の記入日も同じですが、古い日付のまま送付すると「他の保育園に送った履歴書を使いまわしているのかな?」という印象を与えてしまいます。

ちょっとしたことですが、たくさんの応募者の中から採用担当者の印象に残るためには、丁寧に準備を整えることが大切と考えましょう。


■メールマナーにも注意する

メールは一度送信したら取り消すことができないので、マナーには十分注意する必要があります。

メールの件名は「新卒採用 応募の件/履歴書送付 〇〇▲▲(氏名)」とすると、採用担当者にも分かりやすいのでいいでしょう。

以下、メールの文面例なので、送付時に参考にしてみてください。


【履歴書を送付するメールの例文】

〇〇法人
△△保育園
採用ご担当者様


初めて連絡させていただきます

〇〇▲▲と申します。


この度、□□にて新卒の求人情報を拝見いたしました。

縦割り保育に関心があり、貴園でぜひ働きたいと考え、応募させていただきます。

本メールにて履歴書を添付しておりますので、ご査収のほどよろしくお願い申し上げます。

ご多忙のところ恐れ入りますが、ご確認・ご検討いただき、面接の機会をいただけますと幸いです。

何卒、よろしくお願い申し上げます。


______________

〇〇▲▲

〒000-0000

東京都△△区××

携帯;090-0000-0000

E-mail:aaa@aaaa.ne.jp

______________


送信先のアドレスに間違いがないか、保育園名などに間違いはないか、本文に誤字や脱字はないかなどをしっかりと確認して、メールを送信しましょう。

また、例文では「採用ご担当者様」としていますが、この時点で担当者の氏名が分かっている場合は、そちらを宛先とします。

このように、履歴書送付のメールを作る際には改行や段落分けを行い、読みやすいメール作成を心掛けてください。

スマートフォンで作業をしていると、つい改行や段落分けを考えずにメール作成してしまいがちですが「読みにくいから」と後回しにされることがないように、しっかりと注意する必要があります。

そして基本的なことですが、正しい言葉遣いや敬語が使えているかも確認するようにしてくださいね。

印象に残る履歴書を作成しましょう!

履歴書は、志望する保育園に自分という人間を知ってもらう最初の機会となります。

履歴書で一次選考を行うケースも多いので、この一枚が自分の就職活動を左右することを理解し、履歴書作成を丁寧に行いましょう。

ちょっとした誤字ひとつでも、採用担当者に与える印象が変わってきます。

最後まで気を抜かずに、好印象を残せる履歴書作りに取り組んでくださいね
この記事を書いた人
えんみっけ!事務局長 Y.T
「えんみっけ!」の開発・運営の責任者(園児の子どもを持つパパ)です。
保育に関わる方たちとの交流を通じて、役に立つ情報を発信していきます。

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