【保育士面接でよく聞かれる質問とは?】ポイントや回答例をご紹介!

2021.06.09 | 就職・転職
書類審査が通過すると、いよいよ面接が始まりますね。
どんなことが質問されるのか、どんなところをチェックされているのか、心配な人も多いでしょう。
保育園にとっても、面接は新しく一緒に働く仲間を探す大切な機会です。
今回は、保育士の面接でよく聞かれる質問や回答例を紹介しますので、参考にしてみてくださいね。

保育士面接に挑む前の準備

面接は誰しも緊張するものですが、しっかりと準備していくことで不安を解消できます。

しっかりと、ポイントをおさえておきましょう。


■面接時のマナーを頭に入れる

「学生時代に、アルバイトの面接なら経験したことがある」という方も多いのではないでしょうか。

とはいえ、学生のアルバイト面接と、就職面接では求められるマナーも違ってきます。

ここでは、保育士面接の前に押さえておきたい面接マナーについて確認しておきましょう。


■入室・退出時のマナー

まずは、面接の入室・退出の基本的なマナーをおさえておきましょう。

入室する際には、名前を呼ばれたらまずドアを3回ノックし、返事を受けてから「失礼します」と声をかけて入室しましょう。

ドアを閉めるときには、ドアの方を振り返って静かに閉めます。後ろの手で閉めるのはマナー違反となりますので、注意してください。

退出の際にはドアの横に立ち、面接官に向かって「失礼いたします」と一礼して、ドアを開け退出しましょう。

ドアを開閉するときには、大きな音をたてないように注意してくださいね。


■面接中のマナー

面接中のマナーとして押さえておきたいポイントには、次のようなものがあります。


・携帯の電源はオフに

面接を受けるときには、携帯の電源はオフにしておきます。

園に入る前から面接が始まっていると考え、敷地に入る前にはオフにしておくとよいでしょう。

控え室で慌ててオフにするのは、あまり印象がよくありません。


・面接官の顔を見て、ハキハキと話をする

緊張して声が小さくなってしまったり、うつむきがちになってしまったりしては、面接官に良い印象を与えることはできません。緊張しているからこそ、ゆっくりと、大きな声で話をするように心がけると、自分を落ち着かせることができます。

また、面接官の顔を見てアイコンタクトをとりながら面接を進めることも大切です。

面接官とコミュニケーションを取ることが目的であることを忘れずに、緊張しすぎず、しっかりと自分の言葉を伝えるように心がけましょう。

また、相手の言葉には大きくうなずくことも「私はきちんとあなたの言葉を聞いて、理解しています」という意思表示になりますので、積極的に取り入れていきましょう。

  

■電話・メールのマナーを頭に入れる

就職活動において、電話やメールなどの基本的なマナーは必須となります。

しっかりと押さえておきましょう。


・電話のマナー  

電話をかける前に、まずは先方が聞き取りやすいように話すことが大切であるということを覚えておきます。

緊張すると、つい早口になりがちですが、ここはあえてゆっくりと話すことを心掛けましょう。

電話をかけるときには、まず「お忙しいところ、恐れ入ります」と断りを入れ、そこから自分が何者であるかを名乗ります。

「○○大学○年の▲▲□□と申します。恐れ入りますが、採用ご担当者様はいらっしゃいますか?」というように、自分の所属している学校名と学年、氏名を名乗り、誰に用事があるかを伝えます。

この段階で、担当者の氏名がわかっている場合は「○○様お願いいたします」と伝えるようにしましょう。

もし、相手が不在の場合は「何時ごろお戻りですか?」と聞き、「こちらからもう一度お電話差し上げます」と伝えます。

電話を切る前には「ありがとうございました」と言い、先方が電話を切るのを待ってから電話を切りましょう。


・メールのマナー

メールを送る場合、タイトルにメールの内容を要約するようにしましょう。

たとえば「保育実習の件/○○大学○○△△」というように、要件と所属名、名字を入れておくと、先方もタイトルを見ただけでどのような用件かわかりやすくてよいでしょう。

タイトルが長くなりすぎる場合は【】などを活用して、わかりやすいように工夫しましょう。

また、初めてメールをする際には、書き出しに迷う学生も多いと思います。

その場合は、素直に「初めまして、○○大学保育学部△年□□○○と申します」というように、挨拶をします。

続けて用件を書き、文末には「よろしくお願いいたします」と一言添えましょう。

最後に、署名をつけます。

署名は就職活動用に「大学名」「学部」「学科」「住所」「電話番号」「メールアドレス」を入れた署名を作っておくと便利です。

■服装・髪型のチェック

保育士面接は、どのような服装や髪型で受けるのが適しているのでしょうか。

保育士の面接だから、保育しやすい格好がいいのかも?と悩む人もいるかもしれませんが、園から指示がない限りスーツで行きましょう。


・服装

男性も女性も、スーツ着用が基本です。

男性の場合、インナーのワイシャツはボタンダウンなどのカジュアルなタイプではなく、シンプルな白いものを選んでください。

フレッシュな印象を与えられる濃紺のシングルが、就職活動にはおすすめです。

また、革靴もしっかりと磨いておきましょう。

女性の場合、スーツはスカートタイプ、パンツタイプどちらでも構いませんので、自分が落ち着けるほうを選んでください。

スーツのインナーは派手なフリルのあるブラウスなどは避け、シンプルで清潔感のあるものを選びます。

素足はNGですので、ストッキングを着用するようにしましょう。

面接時にはローヒールのパンプスが一般的となりますが、園庭がヒールで傷むことを嫌う園もありますから、心配な場合は事前に確認しておくと安心です。


・髪型

面接時の髪型は、男性の場合基本的に短髪で、耳に髪が掛からないようにしておきます。

女性も、短い場合は耳に髪をかけ、長い場合はひとつにまとめておくと、すっきりとした印象になります。

髪が顔にかかると表情が見えにくいため、暗く、不衛生な印象を与えがちなので注意しましょう。

大勢の子どもや保護者とも関わり合う仕事ですから、清潔感のあるスタイルを心掛けてください。


■園について下調べ

保育園は「この学生は、自分たちの園のどんなところに共感して、志望してくれたのか」ということに関心を持っています。

どのような園でも、園独自の取り組みやイベント、教育理念などがあるので、そのあたりはしっかりと調べておきましょう。面接時に、そのような園ならではの内容に触れることで、「この学生は、しっかりと下調べをして面接に挑んでいる」という真剣な姿勢をアピールすることができます。

事前に園見学をしている場合は、そのときに見た子どもたちの様子や、先輩保育士の様子なども織り交ぜながら話ができるように、あらかじめまとめておきましょう。

保育士面接でよく聞かれる質問とは?

保育士面接で、よく聞かれる質問というものがあります。

頻出の質問に関しては、あらかじめどのように回答するか考えをまとめておきましょう。


■志望理由

保育園は、「数ある保育園の中から、なぜうちの保育園に応募してくれたのか」ということを知りたいと考えています。

志望動機を通して、応募者がどの程度自分たちの園への志望度が高いのか、長く勤めたいと考えているか、そして園にどのように貢献してくれる人物かを見極めようとしていると考えましょう。

その意図を踏まえたうえで、質問に答えるようにすると、好印象につながります。


・回答例

志望理由を考えるときには、自分が理想とする保育と、園の方針が重なっている部分を探し、その点について述べるようにしましょう。

「ホームページを見て、魅力的だと感じる教育理念があった」
「園見学に行った際、先輩保育士の保育姿勢に感銘を受けた」

など、できるだけその園オリジナルの特徴や考え方、そして自分の目で見た印象などを交えると説得力が増します。

回答例としては、次のようなものが考えられます。              

「私は、貴園の『優しい心を育む』という教育理念に大変共感しております。先日参加させていただいた園見学では、走っていてぶつかってしまった子どもたちの対応を先生がされている場面があったのですが、どちらか一方が悪いというのではなく、子どもの目線でそれぞれの気持ちに寄り添い、丁寧に対応されている姿が印象的でした。そういった先生方の姿勢が、子どもたちの優しい心を育むのだと強く感銘を受け、貴園を志望いたしました」


■保育士を志した理由

保育士を志すようになった理由では、自分なりの経験を交えて根拠づけしながら、自分が保育士に適していると思う理由について具体的に述べるようにしましょう。


・回答例

「自分は、とても活発な子どもでしたが、保育園の先生がそんな私のことをいつも『いろんなことに挑戦できるのは、素晴らしいこと!』と褒めてくださいました。先生が見守ってくださる眼差しを感じながら、園庭で楽しく過ごした日々が私のベースとなり、自分の体力や身体能力に自信を持つきっかけになったと感じています。その経験があったからこそ、高校の関東大会の陸上競技では入賞することができました。私も子どもたちが安心して自分らしく過ごすお手伝いができる保育士を目指したいと考えています」


■自分の長所・短所

保育士の採用面接では「自分の長所と短所を教えてください」といった質問は、頻出となります。

しっかりと、準備しておきましょう。


・回答例

長所・短所については、どちらも最終的には保育士としての適性に結び付けられるように回答することが大切です。

長所については、保育士として仕事に役立つ特性であることをアピールするチャンスと捉え、積極的に伝えましょう。

短所についての質問は、その質問にきちんと答えられるかどうかで学生が自己分析をしっかりと行い、就職活動に真摯に取り組んでいるかを確かめる意図があります。短所について回答するときには、短所をそのままとせず、それを理解したうえでどう改善していくかを具体的に伝えることが大切です。

前向きな表現を心掛け、短所をポジティブな印象に変えて伝えるようにしましょう。


・長所について

「コミュニケーション能力が高いところが、私の長所です。学生時代にはバーガーショップの店員としてアルバイトをしていましたが、社員の方やアルバイト仲間との連携窓口や、年配の方から子どもまで、さまざまな年代のお客様からの相談窓口として役立てていたと自負しています」


・短所について

「私は心配性なところがありますが、その分慎重だと感じています。大学でも書類などを提出し忘れることはありませんでしたし、課題も締め切り前に余裕を持って出すことができていました。慎重さは、子どもたちの安全を守るうえで非常に役立つのではないかと思いますので、安心して子どもたちが過ごせる環境づくりに活かしたいと考えています」

■学生時代に力を注いだこと

学生時代に力を注いだこと、いわゆる「ガクチカ」についても質問されることが多くあります。

就職活動においてガクチカを質問する理由としては、その人柄や実行力・行動力・物事への取り組み方を知りたいと考えています。

採用担当者に自分の経験をしっかりと伝えられるように、準備しておきましょう。


・回答例

学生時代に私が力を注いだことは、合唱サークルの活動です。

子どものころから歌うことが好きでしたが、合唱サークルの活動を通して人と声を合わせる喜びや、相手を際立たせるために自分がすべき役割を見極める力を身に付けることができました。

また、仲間とともに切磋琢磨し、迎えたコンサート当日の感動や達成感は、日々の努力が報われた、忘れられない一日となりました。

サークル活動を通して、私は人と力を合わせる力や、諦めずに努力し続ける姿勢を学ぶことができたと感じています。

また、音楽の楽しさや歌うことの喜びも、子どもたちに伝えていくことができると考えています。


保育士面接については、以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

『保育士面接でベストな自己PRを行うには自己分析がポイント!』


■逆質問

保育士面接では「何か質問はありませんか?」と、最後に逆質問されることも多くあります。

無難に面接を終わらせたい気持ちを優先させて「特にありません」と回答すると、それがマイナス評価になってしまうこともあるので、注意しましょう。


・質問例

「何か質問はありませんか?」と聞かれたら、その質問に隠れている面接官の意図を考えましょう。

「自分たちの園に本当に就職したいと考えているのか」「積極的にコミュニケーションを図れるタイプか」といったことを確認しようと、面接官は質問をします。

学生が自分の言葉で自分の気持ちを表現できるかを確認したい、そしてミスマッチを防ぎたいというのが面接官の考えですので、逆質問されたら「特にありません」では済ませずに、本気度をアピールできるチャンスと考えて「就職までに、どのようなことを学んでおくべきか」など、前向きな質問をしましょう。


逆質問については、以下記事でも詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

『保育士面接の逆質問で「特にありません」はNG?気を付けたいポイントとは?』

その他に聞かれることの多い質問は?

■保育に関する知識

保育士の採用面接では、保育の現場での事故を防ぐために必要なことや、保護者が保育園に期待していることなど、保育に関する質問もされると想定しておきましょう。

あらかじめ、どのように回答するかをまとめておくと安心です。


■保育士のあるべき姿

保育士の面接では、「保育士はどうあるべきと考えていますか?」という質問も、よくされます。

保育士がどうあるべきか、というのは一人ひとりによって考えが異なります。正解がない質問ですから、自分が思う理想とする保育士の姿について話をすれば問題ありません。

ただ、志だけを語り、それで話を終わらせてしまうと、志が高いのはわかったけれど、具体的にどのようなことができるのかが伝わりません。

志を実現するために、自分はどのような保育を目指したいか、具体的に落とし込んで話ができるように準備しておきましょう。


■ 採用後の希望

就職活動中の学生の多くは「内定をもらうこと」が目標となってしまいがちです。

内定をもらいたいがために、勤務条件や待遇といった福利厚生について確認できないまま選考が進んでしまうケースも少なくありません。

待遇について質問するのは気が引けるという気持ちもわかりますが、長く勤めたいと真剣に考えるからこそ、待遇面の確認はとても重要です。

遠慮することなく、しっかりと確認するようにしましょう。

「なぜこの園なのか」を明確にすることで、本気度を伝えよう!

保育士は専門職ですから、面接で質問される内容もある程度イメージしやすいものとなります。

それはライバルとなる他の保育学生も同じで、しっかりと準備をしてきていますので、面接準備は怠らないようにしましょう。

そして、他の保育学生と差をつけるためにも、応募する園について詳しく研究し「なぜこの保育園で仕事をしたいのか」、自分の中で要となるものを見つけてください。

要点さえしっかりしていれば、自己PRも志望動機もグンとつくりやすくなりますよ。

■他の園にも応募しているか

他の園にも応募していますか?と聞かれると、正直に答えていいか迷うという学生も多いと思います。

結論から言うと、他の園にも応募しているであろうということは、園も想定しています。

本当にそうであれば「こちらの園しか受けていません!」と回答するのが正しいということになりますが、他の園にも応募している場合は正直に答えて問題ないでしょう。

ただ、ここで大切にしたいのが「他の園にも応募しているが、こちらの園が第一志望です」という姿勢を伝えることです。

その場合、重要なのは「なぜ、この園で働きたいのか」という具体的な理由です。

志望理由に通じる部分でもありますが、もし重複して質問をされた場合は素直にその理由を添えて、回答するようにしましょう。

ただ、まるっきり同じ文言を繰り返してしまうと違和感があります。多少アレンジして回答できるように用意しておくことをおすすめします。

面接でアピールするといいこと

最後に、面接でアピールするといいことについてまとめておきましょう。


■相手に傾聴できる姿勢

相手の話をしっかりと聞く、というのは基本中の基本です。

採用担当者が話をしているときには、しっかりと相手の目を見て、うなずくようにしましょう。

一緒に仕事をする仲間を探している保育園側としても「この学生は、人の話をきちんと聞くことができるか」というのは気になるポイントです。

何気ないことのようですが、非常に重要な点といえるでしょう。

 

■自分の保育観をアピールする

自分が志望する園を決めた理由を振り返ってみてください。

そこにはきっと、自分の保育観と似通った園の理念や保育方針があるはずです。

園としては、自分たちの園の考えに賛同してくれる保育士を採用したいと考えていますから、学生の保育観が自分たちの園に通ずる場合は、非常に好印象となります。

「保育観というほど、しっかりとしたものがない」と思うかもしれませんが、その園を魅力的に感じた理由について考えることで、自分がどのような保育をしたいと考えているかが見えてくることもあります。

しっかりと分析し、自分なりの保育観を明確にしておきましょう。


■保育に対する情熱をアピールする

保育士になりたいと考え、保育学生となっているのですから、保育に対する情熱はある程度あって当たり前とされていますが、園としてはやはり熱い思いを持っている学生を採用したいと考えています。

保育に対するやる気は情熱をアピールできるように、考えをまとめておきましょう。

この記事を書いた人
えんみっけ!事務局長 Y.T
「えんみっけ!」の開発・運営の責任者(園児の子どもを持つパパ)です。
保育に関わる方たちとの交流を通じて、役に立つ情報を発信していきます。

ユーザー登録がまだの方はこちら 登録済みの方はこちら