【保育士の就活・転職】内定後にすべきこととは?

2024.10.31 | 見学 | 就職・転職 | 資格・試験
保育園への転職・就職活動をしていく上で、実際に内定を受けたあとの流れは知っていますか?
内定通知の返事や内定後の流れ、入職までに準備するべきこと、また、内定辞退する場合はどうすれば良いのかなど、やるべきこと・知っておくべきことはたくさんあります。
本記事では、内定を受けたあとにやるべきことを詳しく解説しています。これらをしっかりとおさえ、入職の日をスムーズに気持ちよく迎えましょう。

保育園の就活で内定後の流れは?

保育園の就活において、内定後の流れを知っておくと、就職・転職活動をスムーズに行うことができます。

以下は、主な内定後の流れです。

  1. 内定の連絡を受ける
  2. 労働条件の確認をする
  3. 内定承諾、内定辞退、内定保留別の返事・対応
  4. 入職日の確定
  5. 入職の手続き・雇用契約
  6. 必要な書類の準備
  7. 転職者は退職の準備・退職
  8. 入職

それぞれ詳しく解説します。

①内定通知を受ける

内定通知書がどのタイミングで送付されるかは園によって異なりますが、おおよそ最終面接から1週間~10日程度で送られてきます。ただし中途採用の場合は時期をおいて複数人と面接予定が入っているなどの事情があり、少し長く待つ可能性もあります。

多くの場合、内定通知書が届く前に電話やメールで内定を知らされていて、改めて書類が届く流れになっています。

ちなみに、すでに内定を承諾している方は、書類の到着時に改めて返事をするべきかどうか迷うでしょう。ただ社会人のマナーとして、一度内定承諾の返事をしている場合でも、内定通知書が届いたら改めてお礼の連絡をしましょう。

保育士の内定通知書は一般的に、その園の採用通知のほか、労働条件や入職日までに必要なものが記載されています。返信用に内定承諾書が同封されている場合もあります。

内定通知書で初めて内定を知った場合は、「承諾・保留・辞退」それぞれのケースに合わせて返信します。返信内容については、後ほど詳しく解説します。

なお、内定通知書は雇用先によって形式が異なり、義務ではないため発行しない園もあります。

②労働条件を確認する

基本は内定通知書と一緒に労働条件や福利厚生、入職日、準備する物などが詳細に説明された書類が同封されています。しかし、情報が不足している場合もあります。

特に労働条件などは、ここでしっかり確認しましょう。この段階で不明点をなくしておいたほうが、承諾・保留・辞退の判断がしやすいでしょう。

保育士の労働条件として確認しておくべきことの基本は以下のようなものがあります。

  • 給与
  • 賞与
  • 昇給体系
  • 手当(資格手当・住宅手当・通勤手当など)
  • 保育士処遇改善の内訳
  • 保育士宿舎借り上げ制度の利用は可能か
  • 入職日
  • 休暇制度
  • 福利厚生制度
  • 勤務時間・勤務シフト
  • 仕事内容(担任クラスなど)
  • 責任の範囲や役職など
  • 勤務園(系列園が複数存在する場合)
  • 転勤・異動の有無(系列園が複数存在する場合)

全て教えてもらえるとは限りませんが、なるべく多くの情報を確認しておくべきです。保育園側はむやみに内定取り消しをすることはできませんので、遠慮せず内定先に質問しましょう。

また、転職者は自身の経験考慮がされているか確認し、低く評価されていると感じる場合はこの段階で交渉しましょう。

③内定への承諾・保留・辞退

労働条件を確認したら、入職するかしないかの意思を内定先に返事をする必要があります。

内定承諾・内定辞退・内定保留の3つの選択肢があり、それぞれ、自分の意思を丁寧に伝えましょう。

以下、例文を交えて紹介します。


内定を承諾する際の連絡

承諾する場合、内定通知書を受け取ったら回答期限内に返信するのは当然ですが、できるだけ早く返信したほうが好印象です。

本文には、内定通知のお礼だけでなく、入職に向けた意気込みなどを添えるのがベターです。


例文

件名:内定承諾のご連絡【(学生の場合は学校名・学部名も)あなたの姓名】

社会福祉法人○○会

採用担当○○様


お世話になっております。

先日面接していただいた○○○○と申します。

この度は、内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。

謹んで貴園からの内定をお受けいたします。


入社後は、貴園の一員として貢献できるよう尽力してまいります。

貴園の皆様と一緒に働ける日を楽しみにしております。

どうぞよろしくお願いいたします。

——————————————————————————————

姓名

E-mail:○○○@○○○○

Mobile:○○○-○○○○-○○○○


内定を保留する際の連絡

内定の返事を保留したい事情がある場合は、内定通知書が届いたら速やかに返信しましょう。

新卒採用の場合は長めに返事を待ってもらえるケースもありますが、中には保留期間を短めにしている園もあり、必ず待ってもらえるとは限りません。特に中途採用の場合は、欠員補充など緊急度が高い場合も多く、あまり長くは待ってもらえないケースがあります。

いずれにしても、保留の理由を伝える際は、その園の志望度が高いことを添えて保留の理由を明確に書くと好印象になるでしょう。

とはいえ「第一志望の園からの回答を待っている」という理由は「現在他園の選考の回答待ち」などと言いかえ、採用担当者を「第一志望ではないのか」とがっかりさせないよう工夫します。


例文

件名:内定保留のご連絡【(学生の場合は学校・学部名も)あなたの姓名】

社会福祉法人○○会

採用担当○○様


お世話になっております。

(学生の場合は学校・学部名)○○○○と申します。

この度は、内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。

内定のお返事に関して、誠に勝手ながら○月○日までお待ちいただくことは可能でしょうか。

現在、他の園の選考結果待ちの状況でございます。


貴園の保育指針や日常保育には大変魅力を感じておりますが、後悔のないよう慎重に検討したうえで、お返事をさせていただきたく存じます。

内定をいただいたにも関わらず、こちらの都合でご迷惑をおかけして大変申し訳ございませんが、ご理解いただけますと幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。

——————————————————————————————

姓名

E-mail:○○○@○○○○

Mobile:○○○-○○○○-○○○○


内定を辞退する際の連絡

内定を辞退する時は、電話で伝えるのが基本とされています。直接話すことで誠意が伝わりやすいためです。しかし、担当者が多忙で電話連絡が難しい場合もあるので、担当者不在または電話に出た職員が代わりに用件を聞く場合があります。その場合には後ほどメールで連絡しましょう。

本文では、内定をもらったことや面接などに時間をいただいたことに感謝の意を伝えるとともに、辞退することへの謝罪を伝えます。

ここで辞退の理由を伝える必要はありません。「検討の結果」などと書くのがベターです。


例文

件名:内定辞退のご連絡【(学生の場合は学校・学部名も)あなたの姓名】

社会福祉法人○○会

採用担当○○様


お世話になっております。

(学生の場合は学校・学部名)の○○○○と申します。

○時頃お電話を差し上げたのですがご不在のようでしたので、メールでのご連絡となることをご了承ください。


この度は、内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。

内定のお知らせをいただきながら大変恐縮ではございますが、検討の結果、内定を辞退させていただきたくご連絡を差し上げました。

選考に多くのお時間を割いていただいたにも関わらず、このようなご連絡となり誠に申し訳ございません。


本来であれば、貴園にお伺いし直接お詫びすべきところではございますが、メールでのご連絡となりましたことを重ねてお詫び申し上げます。

○○様をはじめ、採用に関わってくださった○○園の皆様には大変感謝しております。

末筆ながら、貴園の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。

——————————————————————————————

氏名

E-mail:〇〇〇@〇〇〇〇

TEL:〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇

④入職に向けた準備

続いて、入職に向けて重要となる準備事項を解説します。


手続きや契約・書類の準備

内定通知書に入職予定日が記載されている場合もありますが、転職時など交渉によって決定する場合もあります。どちらも、正式に書面で決定し、雇用契約を交わします。

入職日が確定したら、入職の手続きを行います。正式な雇用契約書などを提出します。

これらの書類は、内定承諾後に詳しく流れを説明される場合が多いので、しっかり確認しておきましょう。

事前に提出するものと入職時に提出するものがありますので、間違いや提出遅れのないようにします。


入職時に提出する書類は、以下の通りです。


・年金手帳

・給与振込先届書

・健康診断書

・入社承諾書・入社誓約書・身元保証書

・保育士証


(転職者の場合以下の書類も提出します)

・雇用保険被保険者証

・源泉徴収票

・キャリアアップ研修修了証(前職も保育士の場合)


内定者面談・内定者懇親会などへの参加

内定者面談や内定者懇親会などを行う保育園は少なくありません。目的は、内定者フォローと入職前に円滑なコミュニケーションを図るためです。

これらの機会は、今のうちに聞いておきたいことの確認や、信頼関係の構築に有効ですので、積極的に参加しましょう。

また、内定者懇親会では園長や主任、採用担当の先生だけでなく、先輩保育士の方々と交流できる場合もあります。同期の職員ともいち早く交流できるでしょう。

このような場で交流を持っておくと、入職後の良好な人間関係作りに役立ちます。


園行事への参加

内定者を園見学や園行事に招待する保育園は意外に多いです。園側は、ボランティアの手が欲しい場合もありますが、園の雰囲気をいち早く感じてほしいという意図があります。

これは内定者にとっては貴重なチャンスですので、できるだけ積極的に参加しましょう。実際に自分が入職する園の雰囲気を肌で感じることができます。また、先輩保育士や子どもたちに覚えてもらい、良い関係を築く土台にもなるでしょう。

メモを取って良いか確認して、貴重な学びを記録しても良いでしょう。


ただし、もう学生ではなく社会人の一員のつもりで行動することを忘れないでください。よほどのことがない限り内定取り消しはありませんが、そのふるまいや身なりは印象を良くも悪くもします。

また、保護者や園児たちにとっては、一人の「先生」として見られていることを意識して行動しましょう。

⑤転職の場合:現在の職場の退職

転職者の場合は、入職の準備が終わったら、現在勤めているところの退職の準備をします。

保育士の転職者にとってはここが一番の悩みの種、という方も多いでしょう。退職の意思を切り出すタイミングも悩みどころです。

担任などの都合もあるため、年度の切り替わりのタイミングが一番スムーズです。それ以外でも、入職日の前であれば好きなタイミングで良いですが、なるべく大きな行事の準備で慌ただしくなる季節は避けましょう。

退職の意向は、少なくとも退職希望日の1ヶ月前に伝えるのがベストです。なお、就業規則などに退職の意向を伝える期限が記載されている場合があるので確認しましょう。

入職までの過ごし方のポイントとは?

入職日を待つだけのタイミングになったら、実際に働き始めたときスムーズになる準備をしておくことをおすすめします。

以下のことを、このタイミングでやっておきましょう。


園の研究を続ける

入職する園のことをもっと知る努力をします。マニキュアやヘアカラーなどの禁止事項や身だしなみのルールなど、細かい決まりはもう一度チェックしておきます。

また、ホームページやブログなどがあれば、隅々までチェックします。園の最新情報が更新されるようであれば、マメにチェックしましょう。

園長の考え方や保育理念に触れることもできて、入職後に役立ちます。


保育の基本「5領域」をおさらいする

「保育所保育指針」は保育を行う上で非常に大切な基本の考えとなる指針です。

その中の「5領域」の内容は、入職前にもう一度しっかりおさえておく必要があります。

特に、保育園で働く場合は子どもの年齢が0歳からと幅広いため、年齢ごとの発達の特徴やねらい、活動内容などをおさらいしておくことをおすすめします。


エプロンシアターやペープサートなど制作の練習をする

入職してすぐは、慣れるまでは日々の保育で手一杯となることが予想されます。

教材作りに時間を割く余裕はないかもしれないので、準備期間中に備えておくのもおすすめです。

絵本やパネルシアター、パペットなどは園にあるものを活用する場合がほとんどですが、エプロンシアターやペープサートは、事前に作って練習しておき、自分が得意なとっておきの引き出しを持っておくと日ごろの保育に役立ちます。

同様に、手遊びや指遊びの引き出しもたくさん持っておくと良いでしょう。

まとめ

保育士が就職・転職活動で内定をもらった際の、内定後の流れややるべきこと、内定承諾・内定辞退・内定保留のそれぞれの返事の仕方などを解説しました。また、その他に準備しておくとよいこともお伝えしました。

内定をもらってホッとして、自分へのご褒美と思い、ゆっくりしたり遊んだりしたい気持ちもあるでしょう。心の栄養補給のためにも、それは良いことです。しかし、準備をしっかりすることも大切です。ぜひ、覚えておき実践してみてください。

この記事を書いた人
えんみっけ!事務局長 Y.T
「えんみっけ!」の開発・運営の責任者(園児の子どもを持つパパ)です。
保育に関わる方たちとの交流を通じて、役に立つ情報を発信していきます。

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