【保育実習】オリエンテーションの依頼方法や事前準備、質問事項まとめ
しかし、実際に現場に入ることになるため、不安に思っている保育学生の方も多いのではないでしょうか。
そうした不安を解消するために、保育実習を行う前に事前に実習する園に訪問し、実習ではどのようなことを行うのかなどを確認する「オリエンテーション」が行われます。
今回は、実習当日に慌てることがないように、オリエンテーションで確認しておきたいポイントや、質問しておいた方がよいことなどを解説します。
保育実習のオリエンテーションとは?
保育実習のオリエンテーションとは、保育実習に入る前に保育園の園長や保育士の方々と打ち合わせを行うことです。
以下に保育実習の一般的な流れを紹介します。
1.事前講習
保育実習を行う半年ほど前に「事前講習」の授業が行われます。事前講習が始まったら情報収集などの準備を始めるようにしましょう。
2.オリエンテーション
事前講習のあとに実施するのが「オリエンテーション」です。遅くとも保育実習を行う1か月前には園に依頼し、オリエンテーションを行ってもらうようにしましょう。
3.実習の事前準備
オリエンテーションが終わったら、実習先で具体的にどのような取り組みを行うか、といった具体的な準備を始めます。
保育園の場合、担当するクラスの年齢によって準備が異なりますから、オリエンテーションではしっかりと担当するクラスの年齢や不明点などを確認しておきましょう。
4.実習
実習が始まったら、園内の施設や仕事、一緒に働く保育士や子どもたちの名前など、覚えることがたくさんあります。保育実習中は毎日保育実習日誌を書きますし、実習期間中はとても忙しくなるので、事前準備はしっかりと整えておきましょう。
オリエンテーションの依頼方法
オリエンテーションの実施は、学生側が園に連絡して依頼を行うのが一般的です。園側からオリエンテーションについて学生へと案内を行うことは基本的にはありません。
オリエンテーションの依頼は基本的には「電話」で行います。
社会人として働くための一歩ですから、失礼のないように依頼の電話ができるよう、準備しておきましょう。
電話をかける時間帯
オリエンテーションの依頼は電話で行うことが一般的ですが、保育園・幼稚園はどの時間帯に連絡するとよいのでしょうか。
<保育園の場合>
保育園は、保育時間中に電話をしても、ゆっくりと話をする余裕がない場合が大半でしょう。かといって降園後のタイミングを狙おうとすると、預かり時間が長い場合は夜遅くなってしまうため、子どもたちが午睡している昼の時間帯に電話をするのがおすすめです。
時間は昼食をとった後、13時くらいから1時間~2時間程度午睡の時間を設けている園が多いので、そのあたりの時間帯に電話をかけるようにしましょう。
<幼稚園の場合>
幼稚園の場合、登園や降園で忙しい時間帯は避けて電話をするようにしましょう。電話をかける時間帯としては、基本的に登園や降園が落ち着いた後の時間となる、10時~11時ごろや、15時以降がおすすめです。
いずれの場合も最初の電話で話した際に、今後電話をかける際はどの時間帯にかけるとよいか確認しておくと安心でしょう。
電話をかける際の事前準備
電話をかける前には、どのような準備が必要なのでしょうか。
まず、おすすめしたいのが電話の前には質問したい内容を整理し、メモを作っておくことです。
電話をかけると緊張してしまい、後になって「あれも聞けばよかった」「この内容も確認しておけばよかった」となりがちです。そうならないように、箇条書きでも構いませんから、質問したい内容を書きだしておきましょう。
書きだす際に少しずつスペースを空けておくと、返事を聞きながらメモを書くこともできます。
また、あくまでこちら側からお願いごとをするために電話をしていますから、相手に良い印象を持ってもらえるよう、明るく朗らかな声で話すことも大切です。
電話は、相手の顔が見えませんから、なおさら声のトーンは重要であると考えてください。
電話をかけたら、最初に以下3点を必ず伝えましょう。
〇大学名、学科名、学年、氏名などの自分のプロフィール
〇今電話をしていても大丈夫かという相手の状況を確認
〇オリエンテーションの依頼で電話をかけたということ
オリエンテーションの依頼の電話であることが分かると、先方から日程や、オリエンテーション時の持ち物などが告げられますから、聞き逃しのないようにメモをとりましょう。
電話をかける際は、この3点を押さえておけば落ち着いて確認したいことを聞くことができるでしょう。電話の際に緊張して早口になってしまう方もいますので、そうならないよう、意識してゆっくりと丁寧に話すようにしてくださいね。
オリエンテーションで訪問する際の準備
電話でオリエンテーションを依頼し、実施日が決まったら、当日の準備を始めます。
オリエンテーションの準備は、遅くとも前日の夜までには整えておきましょう。
持ち物
オリエンテーションの際に持参するものには、以下のようなものがあります。
〇指導案
保育内容やねらいなどを設定し、どのような保育活動を行うかを明確にするための提案書です。
学校から定められたフォーマットがある場合はそれを利用しますから、あらかじめ用意し、持参しましょう。
〇日誌
日誌も、指導案と同様に、学校指定のフォーマットがある場合は持参してください。
〇筆記用具
メモをとる場面も出てきますから、メモ帳とメモをとるための筆記用具を用意します。
〇園から配布されたものを入れるファイル
オリエンテーションでは、園のパンフレットや、保護者に向けて日常的に配布されているお手紙など、園の様子を知ることができる資料を配布するケースが多いです。
いただいた資料は実習の際にも活用しますので、ファイルに入れて持ち帰り、大切に保管してください。
身だしなみ
オリエンテーションでは、身だしなみにも注意しましょう。
まず、服装ですがリクルートスーツで行くのが一般的です。
スーツをあまり着たことがないという人も多いと思いますが、しわや汚れ、ほこりなどがついていないように、きれいに手入れをした状態で準備しておきましょう。
ヘアスタイルも、清潔感があるものが好まれます。
髪色も落ち着いた色味にし、髪が長い場合は後ろでまとめましょう。ボブスタイルの場合は耳に髪をかけて、表情が伝わりやすいように工夫します。
メイクやネイルは、極端に華美なものは避けるようにしましょう。また、実際に子どもと接する際のことを考え、ピアスやネックレスなどのアクセサリー類も控えておくと、安心です。
オリエンテーションに限りませんが、第一印象はとても重要です。よい印象を残せるように考えながら、準備を整えましょう。
オリエンテーションでの質問項目
オリエンテーションにのぞむ前に、実際に自分が働くにあたって知っておきたいことを質問項目として準備しておきましょう。
有意義なオリエンテーションにするためには、あらかじめ園の概要や方針、目標などについて事前に下調べすることが大切です。
調べてみても分からない部分を、オリエンテーションのときに質問しましょう。
以下にて、オリエンテーションにおける質問の例をご紹介します。
〇保育理念について教えてください
実習先の園の保育方針や保育理念などについては、オリエンテーションの前に園のホームページや資料で確認し、当日はより理解を深めたい点について質問しましょう。
しっかりと資料を読み込み、そのうえで「詳しく知りたい」という点があれば、オリエンテーションで確認しておいてください。
園としては、学生側が事前準備として、基本的な情報については調べてから来ているものと考えています。
質問をする際は「知らないので教えてください」という姿勢ではなく、事前に調べたうえで「理解を深めたい」という姿勢で聞くようにしましょう。
〇保育をする際に、注意すべき点があれば教えてください
園によって、独自のカリキュラムを用意しているところも増えているため、特徴的な保育を行っている場合は特にしっかりと注意点について確認しておきましょう。
〇配属クラスや、そのクラスの子どもたちと関わるうえで注意すべきポイントを教えてください
実習で自分が何歳児クラスに配属されるのか、またクラスの子どもと関わる際にどのような点に注意すべきかを確認します。
場合によっては、オリエンテーションの時点では配属クラスが決まっておらず、担当したい年齢を聞かれることもありますので、そのあたりも念のために考えておきましょう。
〇配属されるクラスに、配慮が必要なケースがあれば、教えてください
子どもによっては、発達などに関して配慮が必要な場合もあります。
事前に確認しておくことで、対策を立てることもできますから、質問しておきましょう。
〇実習日誌や指導案の書き方や、提出方法を教えてください
学校のフォーマットを使用する場合はオリエンテーションで伝え、書き方や提出方法で注意すべき点がないか、聞いておきましょう。
〇弾き歌いや読み聞かせをする場合は、課題曲や絵本の題名を教えてください
ピアノや読み聞かせを実習中に行う場合、事前に練習できるよう質問をしておきましょう。
園によっては、使用する楽譜や絵本を貸し出してもらえるケースもあります。
〇実習期間中に行事はありますか?ある場合は、内容や自分の役割を教えてください
実習期間中に行事がある場合は、事前に把握しておくことで準備できることもあります。
実習期間中に慌てなくて済むように、あらかじめ確認しておきましょう。
〇実習中の持ち物について、注意点があれば教えてください
園によっては、キャラクターものが不可であったり、給食がないケースもあります。
必要に応じてあらかじめ準備が必要なケースもありますから、確認しておきましょう。
保育実習では「しっかり保育をしなくては!」と緊張しすぎる保育学生もいるようです。
しかし、現場の保育士たちは、学生が最初から一人前の保育士と同じように保育ができるとは思っていません。
問題にぶつかっても諦めずに先輩保育士に相談をしたり、素直に助けを求められる学生の姿こそ、求める学生像なのです。
オリエンテーションでも「あんな質問をしなければよかった」と後悔したり、反省したりする学生も多いようですが、聞いてみなければなにも分かりません。
そつなく、上手にやり過ごすのではなく、しっかりと実習準備をするためには正しい情報が重要と考えて、オリエンテーションではたくさん質問をしてみてくださいね。
保育実習のオリエンテーションで注意すべきこと
保育実習のオリエンテーションでは、どのような点に注意すべきでしょうか。
〇聞きたいことはもれなく聞いておこう
オリエンテーションは、保育士になるための大切なプロセスです。
自分が「どのように見られるか」「どのような評価がくだされるか」ばかり気にせずに、質問したいことはしっかり聞いておきましょう。
〇約束の時間の少し前に到着しておく
約束の5分前には到着するようにしておくこと、万が一の遅刻や欠席は園に早めに連絡することなどは、当たり前のことばかりのようですが、大切なポイントです。
忙しい中、保育学生のために時間を割いていてくれていることを忘れずに、誠意をもって行動するようにしてくださいね。
〇元気に挨拶をする
保育園の中には、保育士だけでなく、子どもたちや保護者もいます。
明るい笑顔を忘れずに、挨拶をするときには大きな声で行うようにしましょう。
オリエンテーションで質問したことは必ず未来の自分を助けてくれる
オリエンテーションは、保育実習でお世話になる先生方と顔合わせをする機会となります。
自分が実習を行う施設を下見することもできますし、質問があれば直接聞くこともできますので、当日は遠慮せずに、積極的に質問しましょう。
実習が始まってから「あのとき、確認しておけばよかった」ということが出てきては、残念ですよね。
実りあるオリエンテーションとなるように、しっかりと準備して当日を迎えてくださいね。
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