【園担当者向け】保育士採用に効果的な求人票の書き方

2021.03.10 | 就職・転職 | 園関係者向け
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「私たちの保育園を、一緒に盛り上げてくれる保育士を募集したい」どの保育園も、幼稚園も、採用活動に対する思いは同じだと思います。それでも、いざ求人票の欄に必要事項を記入していくと「この内容で、私たちの保育園・幼稚園のことが伝わるのかしら」という気持ちになることもあるのではないでしょうか。
今回は、保育園・幼稚園の第一印象が決まる求人票の書き方のコツについて、解説します。

保育士採用の求人票は応募者との出会いの場

求人票は、園と求職者の出会いのファーストコンタクトになるため、大変重要な役割があるといえます。

そのため求人票では、自分たちの園をよく理解してもらえるように、内容を工夫する必要があるのです。園の理念や教育方針について述べるだけではなく、具体的にそのようなものを保育にどのように落とし込んでいるかという現場の様子や、職場環境なども織りまぜながら記入していきます。求人票を読んで、「この園で働きたい!」と思ってもらえるような、園のイキイキとした様子を伝えられる求人票を目指しましょう。

ここで気をつけたい点が、待遇や勤務条件を書く際に「少しでも志望者の目に魅力的に映るように」と大げさに書かないことです。求人票の記載内容と、実際に仕事を始めてからの待遇や条件に違いがあると「話が違った」と、せっかく採用した保育士の早期退職につながりかねません。

「求人票に記載されている内容と乖離している部分がある」となってしまうと、園にマイナスイメージが付いてしまう恐れがあるため、慎重に言葉を選びましょう。ありのままの園の姿・現状を知ってもらい、そのうえで選んで応募してくれた保育士こそが、自分たちの保育園にマッチした人材なのです。

保育士の求人票に掲載する内容について

たくさんの求人情報の中から、保育士志望の人が思わず手に取りたくなるような求人票とは、どのようなものでしょうか。


■職種名

職種名は、シンプルに「保育士」でいいのではと思われるかもしれません。しかし、勤務先の形態も列記しておくことで、応募者に実際の仕事をイメージしてもらいやすくなります。

保育士の職種名では、次のような表現をするといいでしょう。

・保育士
・保育士スタッフ
・保育士認可保育園
・保育士無認可保育園
・保育士企業内保育園


■募集理由

なぜこのタイミングで保育士を募集することになったのか、その経緯にも触れておくとよいでしょう。

実は、多くの応募者が、保育園の募集背景に関心を持っています。書ける場合は「規模拡大にともなう人員募集」や「前任者出産にともなう募集」というように、具体的に理由を記載しておきましょう。理由が書いてあれば、「離職率が高いのかな?」などと不安を感じることもありません。ポジティブな印象を与えるような理由が書けるようでしたら、一言添えておくとよいでしょう。


■仕事内容

実際の仕事内容については、保育士が仕事をするうえで重要視している、働く環境について詳しく記載しておきます。1日の仕事の流れなどを簡単にまとめておくと、自分がいざ就職した際にどのような生活になるのかイメージしやすくなります。採用後に「記載されていた内容と、実際の業務にギャップがある」と応募者が感じないように、日々の業務を具体的に、分かりやすく記載しておきましょう。箇条書きや表にまとめると、伝わりやすくなります。

以下は、仕事内容の記載例です。


【仕事内容・例】

・子どもたちの日常的なお世話
・登園・降園時の子どもの引き渡し
・子どもたちの安全管理
・食事やおやつの配膳と下膳
・各種イベントの準備
・保護者への連絡帳記入
・保護者への連絡事項確認


仕事内容の項目ではありますが、アピールポイントも盛り込めるようであったら、積極的に入れていきます。

例えば、「当園ではICT化を進めており、連絡帳はタブレット管理となっています」「写真販売はインターネット上で行なっています」など、これまで保育士はすべて手で行なっていた作業が効率化されていることを記載しておきます。そうすることで「新しいことに積極的な園」「業務効率化に取り組んでいる園」というように、応募者に分かりやすく伝えることができます。


■勤務時間

多くの保育園では、朝7時ころから夜19時くらいまで子どもを受け入れていることが多いでしょう。

その場合、8時間労働を基本に、「早番」「中番」「遅番」のシフト制で対応しているかと思います。何時から早番、中番、遅番と設定しているのかというように、具体的に記載するようにしてください。

また、シフト内での早番や遅番の割合なども書いておくと、応募者が実際に勤務することになった場合の生活をイメージしやすくなります。


■給与・手当

給与や手当は、応募者にとって大変重要な情報です。給与や賞与をはじめ、経験に応じて考慮される手当があるのかなども、気になるポイントといえるでしょう。

また「キャリアアップしていくことで、昇給はあるのか」という点も、長く働きたいと考えている応募者にとっては重要なポイントです。長く勤め、しっかりと評価されることで、給与がアップするシステムが確立されていれば、安心して長く勤務できる保育園として、応募者の目には映るのではないでしょうか。


■休日

保育園は、土日にも保育や保護者向けのイベントを行うことがあるため、カレンダー通りの休日とはいかないケースが多いでしょう。そのようなときに休日出勤手当や特殊業務手当が支給される場合は、そのあたりもしっかりと記載しておきます。日常の保育業務に加えて、イベント前の準備や打ち合わせを行うとなると、保育士への負担は大きくなります。そのことを理解したうえ、手当を支給してくれる園は、保育士を大切にしてくれる園ということになります。つまり「保育士が安心して働ける職場」と、応募者からは判断されるのです。

保育士求人の書き方のコツ

求人情報を読んでいて、ワクワクするような内容づくりを心がけましょう。「求人情報なんて、基本情報を並べるだけで、面白くするなんてムリ」と思うかもしれませんが、実際に求人情報を読んでいるときに応募者は「自分がこの園で働いたら、どんな毎日になるだろう?」と想像を膨らませています。

「この保育園の取り組みは面白い、私もやってみたい」
「教育理念に共感できる」

そのように思える内容を書くことが、保育士求人のコツです。求人情報を読んだ志望者が「自分もここで仕事をしてみたい!」と思えるような内容作成を心がけましょう。

では、具体的にどのような記事が、応募者の心を動かすのでしょうか。


■できるだけ具体的に書く

求人票では、なるべく情報を具体的に記載するようにしましょう。

情報が具体的に書かれていないと、求職者が「ここの園は大丈夫かな?」と不安を感じ、応募に踏み出さない恐れがあります。

また、求職者は複数の求人票を見て、比較・検討することが多いでしょう。より具体的に情報が記載されており、自分が働いているイメージが湧く園のほうが、選ばれやすいはずです。


■自園の特徴を掲載する

一見、同じように見える求人票の中から、自分たちの園の情報を見つけてもらうためには、相手の興味を惹きつけることが大切です。

「朝の読書時間の設定がある」「縦割り保育をしている」「英会話教室がある」「モンテッソーリ教育を導入している」など、分かりやすい特徴があれば簡単です。しかし、そうではない場合も、必ず何かしらあるはずです。丁寧に、自分たちの保育を見返してみましょう。

「自分のことは、しっかりと自分で行えるように指導している」「給食の時間は、作ってくださった方や食材に感謝しながらいただくように指導している」など、日々の保育で当たり前のように行なっていることこそが、特徴になることも珍しくないのです。自分たちの園ならではの特徴を見つけるために、じっくりと自分たちの園や保育、子どもたちの姿を見つめなおしてみてください。


■求人票には現実に即した誠実な記述を

先ほどもご説明した通り、「給与や待遇があまりよくないから、ちょっと書き換えてしまおう」など、軽い気持ちで求人票にウソの記載をしてはいけません。

求人票の情報と、現実との間に違いがあると、それは大きな問題となります。そして、ウソの記載をした園は信頼を失くしてしまい、園の運営自体にまで悪影響を及ぼす可能性もあります。

求人票の給与や待遇は、応募者が採用された場合にその保育士の人生を左右することにもつながります。誠実に記入してください。


■園の写真を掲載する

求人情報を見たときに、文字ばかりがずらっと並んでいるものと、子どもたちの写真と文章がバランスよく表示されているものでは、どちらの記事を読んでみたいと思うでしょうか。

文字ばかりで読みにくい求人票は、最後まで読んでもらえない可能性があります。特にタブレットやスマートフォンで閲覧していると、文字ばかりの求人票は「もういいや」と、閉じられてしまいがちです。

文字ばかりの記事になりそうなときは、園の楽しげな様子が伝わるような写真を何枚かピックアップして掲載するといいでしょう。写真を掲載することで、ページ自体がやわらかな印象となります。写真をきっかけに記事を読み始めて、結果として「この園でなら、働いてみたい」と考えるケースもあるのです。写真ばかりで情報がない、というのもマイナスになりますから、文字情報と写真をバランスよく配置するよう心がけてください。

「写真を選ぶ暇がないから、またあとで」と、写真を入れずに掲載をスタートしてしまうケースもあるようですが、せっかくですから入れるようにしましょう。No Imageと表示されていたり、デフォルトで入っているイメージ写真のままだったりすると、応募者も「この園は、それほど採用に情熱をかけていないのかな?」と感じてしまうかもしれません。せっかく園をアピールできるポイントであるため、しっかりと活用しましょう。


■保育士のインタビューを掲載する

求人情報に、実際に保育園に勤務している保育士のインタビューを掲載するのも、ひとつの方法です。「情報が細かく記載されていても、ピンとこない」という人も多いでしょう。

そのようなときに、実際に働いている人の実感のこもった言葉で語られている記事があると、読む人は惹きつけられます。

実名や顔写真を掲載する必要はないので、難しく考えすぎずに現役保育士にコメントをもらって、掲載しましょう。インタビュー記事は読みやすい印象があるため、「ちょっと読んでみようかな」と志望者が園に興味を持つきっかけになるかもしれません。


■媒体によって内容を変える

求人を出す際に、複数の媒体に掲載するケースもあるでしょう。そのようなときに、どの媒体にも同じ記事を使うことは、避けるようにします。

「記事作成に時間が使えない」という声が聞こえてきそうですが、全部書き換える必要はありません。媒体ごとの特徴をつかみながら、手直しすればそれでOKです。「転職者向けサイトだから、落ち着いたトーンが好まれるかも」「サイトのトーン的に、安心して長く勤務できる雰囲気を伝えたほうがいいかもしれない」「新卒対象なので、これからのどんな風に成長していけるかな?とウキウキする内容にしよう」と、読者層について想像をめぐらせて、必要に応じて手直ししましょう。

また、レイアウトや写真を変更することでも、大きく印象を変えることができます。ぜひ、試してみてください。

まずは園を知ってもらう活動から

『えんみっけ!』は、保育園・幼稚園の求人情報を無料で掲載しています。よくある就職活動に特化したサイトではなく、園の方針や特徴、雰囲気を伝えることを大切にしています。

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この記事を書いた人
えんみっけ!事務局長 Y.T
「えんみっけ!」の開発・運営の責任者(園児の子どもを持つパパ)です。
保育に関わる方たちとの交流を通じて、役に立つ情報を発信していきます。

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