【保育士試験】受験資格を得るために必要な条件とは?実務経験を積む方法も解説!

資格・試験
公開日:2026.10.14 更新日:2026.10.14
保育士資格を取得する方法には、保育士試験に合格する方法と、指定保育士養成施設を卒業する方法があります。
保育士の試験を受けるためには、受験資格として必要な満たすべき条件がありますが、年齢制限はありません。
何歳になっても、保育士資格取得を目指すことはできるのです。
今回は、保育士試験の受験資格を得るための条件や、実務経験を積む方法について解説します。

保育士資格の基礎知識

保育士として仕事をするためには、保育士資格が必須です。

保育士資格を取得するためには、国家試験を受ける方法と、保育士養成施設を卒業する方法の2つがあります。

本記事ではまず、国家試験を受けて保育士資格を取得する方法について、解説します。


保育士の国家試験は1年に2回、前期と後期に行われます。

試験内容としては筆記試験と実技試験が実施され、最初に筆記試験を受験します。

筆記試験の全科目に合格した人が、実技試験を受験する資格を得られるシステムです。

保育士試験の受験資格を得るための条件

保育士の受験資格を得るための条件は、中学卒業、高等学校卒業、専門学校卒業、短大・大学卒業といった最終学歴によって異なります。

保育士試験の受験資格では、卒業・在学した学校が学校教育法に基づく学校・専修学校等に該当するかが確認されます。インターナショナルスクールや海外の学校など、該当性が分かりにくい場合は、保育士試験事務センターに確認しましょう。

卒業した学校が学校教育法に基づくものではない場合や、海外の学校を卒業した人は、保育士試験事務センターに問い合わせましょう。

それでは、学校教育法に基づいた学校を卒業しているケースについて、解説します。

4年制大学卒・在学中・中退

大学を卒業、在学中の学生に関しては、以下の条件を満たしていれば受験資格を得ることができます。

【条件】

  • 大学卒業者:学部・学科を問わず受験資格あり
  • 大学在学中:2年以上在学・62単位以上修得済み、または受験年度中に条件を満たす見込みがある場合は受験資格の対象
  • 大学中退者:2年以上在学し、62単位以上を修得していれば受験資格の対象

大学を卒業している人は、学部・学科を問わず、保育士試験の受験資格があります。保育とは関係のない学部や学科を卒業していても問題ありません。

大学在学中の場合、すでに2年以上在学し62単位以上を修得している人のほか、1年以上在学しており、受験年度中に62単位以上の修得が見込まれると学校長が認める人も受験資格の対象になります。

また、中退していても「2年以上在学していること」「62単位以上取得済みであること」を満たしていれば受験資格として認められ、受験が可能です。

短期大学卒・在学中

短期大学卒業、または卒業見込みである場合は、保育士試験を受験することができます。

こちらも、大学と同様に、保育士とは関係のない学部や学科に在籍していても問題ありません。

ただし、大学の場合とは違い、中退している場合は受験資格を得ることはできませんので、この点は理解しておきましょう。

専門学校卒・在学中

専門学校の場合は、学校教育法に基づく専修学校の専門課程で、修業年限2年以上などの条件を満たす場合に受験資格の対象になります。こちらも、卒業見込みであっても受験可能です。

2年未満で卒業する専門学校に在籍している場合は、次に説明する最終学歴が高等学校卒業であるケースを参考にしてください。

専門学校の場合も、短大と同様に中退していると、受験資格ありとは認められません。

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高等学校卒業

最終学歴が高校の人は、「卒業した年」と「学科」によって、保育士試験をそのまま受けられるかどうかが変わります。

高校の卒業区分受験資格の有無・条件
1991年(平成3年)3月31日以前に高校卒業学科を問わず、そのまま受験資格あり
1996年(平成8年)3月31日以前に「保育科」の高校を卒業実務経験なしで受験資格あり
上記以外の高校卒業(1991年4月1日以降の普通科など)「児童福祉施設などで2年以上かつ2,880時間以上」の実務経験が必要

中学校卒業

最終学歴が中学校卒業の場合、そのままでは受験資格を満たしません。ただし、児童福祉施設などで一定の実務経験を積むことで、受験資格を得られます。

また、この場合、求められる実務経験の条件が高等学校卒業の場合とは異なります。

詳しくは後述しますので、しっかりと確認しましょう。

保育士試験の受験資格にある「実務経験」とは

先ほども述べた通り、保育士試験の受験資格には高校卒業、中学卒業の場合は「実務経験」が必要です。「実務経験を積むといっても、保育士資格を持っていないのにどうしたら良いの?」と思うかもしれません。


このような場合、「保育補助」という仕事をしながら実務経験を重ねるのが一般的です。


保育補助とは、保育園や託児所といった児童福祉法で定められている施設で、保育士のサポートを担当する仕事です。アルバイトやパートとして、保育の準備や片付けなどを担当します。


保育業務全般のサポートが仕事となりますが、実務経験を重ねながら保育のノウハウが学べる仕事です。やはり、現場での実務経験は実際に保育の仕事をスタートさせてからも、大変役立ちます。

では、児童福祉法で定められている施設には、どのようなものがあるのでしょうか。


【児童福祉法で定められている施設】

保育所

保育所型認定こども園

幼保連携型認定こども園

児童養護施設

児童厚生施設

障害児入所施設

児童発達支援センター

児童心理治療施設

児童自立支援施設及び児童家庭支援センター

助産施設

乳児院

母子生活支援施設


このほかにも、認定基準に該当する施設や事業もあります。

認可外保育施設や小規模保育事業、幼稚園型認定こども園、地域裁量型認定こども園、幼稚園、家庭的保育事業、事業所内保育事業、居宅訪問型保育事業、一時預かり、学童クラブ、へき地保育、小規模住居型児童養育事業、障害児通所支援事業、放課後等デイサービス、一時保護施設などでの就業経験がある場合は、都道府県知事による受験資格認定を得ることができれば、実務経験として認められます。


まずは、施設に直接該当するかどうかを確認してみてください。

高校卒業の場合、そして中学卒業の場合、それぞれのケースで求められる実務経験は以下の通りです。


高校卒業の場合に必要な実務経験

最終学歴が高校卒業の場合、以下3つの条件を全て満たすことが条件となります。

勤務期間が2年以上あること
総勤務時間が2,880時間以上であること

児童などの保護、または援護に従事した経験
※事務や清掃といった、児童と直接関わりを持たない業務は認められない


中学卒業の場合に必要な実務経験

最終学歴が中学卒業の場合、以下3つの条件を全て満たすことが条件となります。


勤務期間が5年以上であること

総勤務時間が7,200時間以上であること

児童などの保護、または援護に従事した経験

※事務や清掃といった、児童と直接関わりを持たない業務は認められない


参考:一般社団法人全国保育士養成協議会「保育士試験を受ける方へ」

保育士試験の科目

保育士試験の科目は、以下の通りです。

筆記試験

筆記試験は9科目実施されます。

  • 保育の心理学
  • 保育原理
  • 子ども家庭福祉
  • 社会福祉
  • 教育原理
  • 社会的養護
  • 子どもの保健
  • 子どもの食と栄養
  • 保育実習理論

【実施方法】
マークシート方式

【合格基準点】
各科目100点中60点以上

※教育原理と社会的養護は2科目で1セットとなるため、それぞれ50点満点となります。合格基準点は、それぞれ30点以上です。ただし、合計で60点以上取れれば良いということではなく、例えば社会的養護で35点、教育原理で25点、合計60点を獲得していても、どちらも不合格となります。

実技試験について

筆記試験に合格すると、次は実技試験を受験することとなります。

実技試験は「音楽に関する技術」「造形に関する技術」「言語に関する技術」の3分野から2分野を選択し、受験します。

ここでは基本的な内容と、試験当日に持参するもので特別に注意が必要なものについて確認します。

音楽に関する技術

音楽の実技試験では歌って聴かせる場面を想定して、2曲の課題曲を弾き歌いする力が求められます。

試験の概要

  • 内容:課題曲2曲を、伴奏を付けて弾き歌いする。
  • 楽器:ピアノまたはギターのどちらか一方を選択。
  • 評価:保育士として必要な歌・伴奏の技術、リズム感など、総合的な音楽表現力が見られます。

令和8年(2026年)前期の課題曲

全国保育士養成協議会の公式発表では、前期実技試験「音楽に関する技術」の課題曲は次の2曲です。

課題曲作詞・作曲
うれしいひなまつり作詞:サトウハチロー/作曲:河村光陽
山の音楽家訳詞:水田詩仙/ドイツ民謡

公式サイトに添付されている公式楽譜のコード進行を尊重して演奏することが求められます。楽譜の持ち込みは可能で、市販楽譜を使う場合も、基本的にコード進行が変わらない範囲で使用します。

前奏・後奏の追加は任意、移調も可能ですが、楽譜に示された部分のみを弾き歌いします。

楽器の扱いと注意点

ピアノ:試験会場に用意されたピアノ(グランド・アップライト・電子ピアノのいずれか)を使用します。

ギター:アコースティックギターを各自持参します(アンプは使用不可、カポタストは使用可)。

次のような演奏は採点対象外になるため注意が必要です。

  • 伴奏を付けずに歌だけを歌った場合
  • 歌わずに伴奏だけを弾いた場合
  • 歌と同じ単旋律だけを弾きながら歌った場合

弾きながら歌うのは想像以上に難しいので、課題曲2曲を「歌の安定」「伴奏のリズム」「両方を合わせる練習」の3つに分けて、早めに繰り返し練習しておくことが合格への近道です。本番で慌てないためにも、普段から声と伴奏を同時に出す練習を重ねておきましょう。

造形に関する技術

造形表現の実技試験では、保育の一場面をイメージして絵で表現する力が問われます。

試験の概要

  • 内容:試験当日に提示される「保育の場面」の問題文と条件に沿って、1枚の絵を描く。
  • ねらい:保育の状況を想像し、情景や人物、色使いなどを通して適切に表現できるかを評価します。

用紙・時間・持ち物

  • 試験時間:45分
  • 用紙:A4判、絵を描く枠は縦横19cm四方
  • 使用できるもの:鉛筆またはシャープペンシル(HB〜2B)、色鉛筆(12〜24色程度)、消しゴム、音の出ない腕時計

クレヨン・マーカー・水の使用・摩擦で消える色鉛筆・人物イラスト入り文具などは使用できません。

言語に関する技術

言語表現の実技試験では、3歳児クラスの子どもに向けて「3分間のお話」をする力が問われます。

試験の概要

  • 内容:3つの課題のお話のうち、入室後に指定された1つを、3分間で素話(絵本なし)する。
課題番号お話のタイトル種類
1ももたろう日本の昔話
2おむすびころりん日本の昔話
33びきのこぶたイギリスの昔話

※実技試験の内容は全国保育士養成協議会「令和8年(2026年)前期」の課題に基づいています。

試験科目免除となる資格

保育士試験では、受験時に保有している資格によって免除される試験科目があります。

あらかじめ確認し、該当する場合は免除申請をしておきましょう。


幼稚園教諭免許所有者

幼稚園教諭免許を所有している場合は、以下の試験が免除となります。


保育の心理学

教育原理

実技試験


また、特例制度対象施設で3年以上かつ4,320時間以上の実務経験がある場合、「保育実習理論」が免除対象になります。さらに、指定保育士養成施設で特例教科目を修得すると、対応する試験科目の免除申請が可能です。


参考:一般社団法人全国保育士養成協議会「指定保育士養成施設での科目等履修による免除について」


社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士いずれかの資格所有者

社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士のいずれかの資格を所有している場合、以下の3科目の筆記試験が免除となります。

社会的養護

子ども家庭福祉

社会福祉

参考:一般社団法人全国保育士養成協議会「社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士資格所有者を対象とした科目免除について」

保育士試験で合格した科目は3年間試験免除に

保育士試験の合格科目は、原則「合格した年を含めて3年間」筆記試験が免除されます。


例:令和8年前期で合格した科目 → 令和10年後期試験まで免除が有効、というイメージです。

さらに、保育所や児童福祉施設などで一定期間(年数・時間)働いた人は、「合格科目免除期間延長制度」により、有効期間を最長5年間まで延長できる場合があります。


延長を受けるには、受験のたびに勤務証明書など所定の書類を提出して申請する必要がある点に注意してください。


参考:一般社団法人全国保育士養成協議会「筆記試験合格科目における合格科目免除期間延長制度について」

保育士養成学校で学ぶことでも保育士資格の取得が可能

保育士資格取得方法としては、厚生労働省が指定する保育士養成学校を卒業する方法もあります。

保育士養成学校には、大学や短期大学、専門学校、通信制大学などがあり、卒業すれば保育士資格を取得することが可能です。

つまり、保育士の国家試験を受ける必要がありません。

保育士養成学校では時間をかけて保育について学びますから、確実に知識と技術を身に付けることができます。

また、幼稚園教諭免許といった保育関連資格を同時に取得できる学校もありますので、入学を検討する際には、どの資格が取得できる学校かを確認しておきましょう。

年齢に関係なく活躍できる「保育士」を目指そう!

保育士資格は学生をはじめ、子育て経験を活かしたい方や、セカンドキャリアとして目指す方がチャレンジしています。

保育士養成学校で学ぶことは、専門的な知識や実習などを通してしっかりとしたスキル修得にもつながりますし、資格試験を受けずに国家資格である保育士資格を取得できるメリットも大きいでしょう。

保育士という目標が定まったら、どの方法で目標にたどり着くのが自分にとって合っているかをぜひ考えてみてくださいね。

この記事を書いた人
えんみっけ!事務局長 Y.T
「えんみっけ!」の開発・運営の責任者(子育て奮闘中パパ)です。
保育に関わる方たちとの交流を通じて、役に立つ情報を発信していきます。

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