保育士は必見!新年度の準備ですべきこととあいさつ例文

2024.03.29 | 給料・環境 | 園関係者向け
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保育士にとって、一番忙しい時期とも言えるのが、新年度の準備をしなければならない年度末ですね。保育園には春休みがないため、現在担当のクラス運営と並行して準備する必要があります。
初めて新年度準備をする1年目の保育士さんや、数年目で初めて主担任となる保育士さんにとっては、不安もあることでしょう。
本記事では、新年度準備でやるべきことを整理し、分かりやすく解説します。
引き継ぎを含め全体を把握し、漏れがないよう進めるために、ぜひ参考にしてみてください。

保育士の新年度に向けた準備①園児編

一番大事な準備、園児についての新年度に向けたやるべきことを解説します。


担当する園児について把握する

新担任の発表のタイミングがいつになるかは、保育園によってさまざまですが、準備期間を考慮して、内々には早めに発表するのが一般的です。

発表されたら、担当する園児について把握しておきましょう。

在園児であれば、児童票を確認するほか、現在の担任に話を聞くこともできます。新入園児も、入園書類などの情報をしっかり確認するようにします。

園によっては新担任が入園前に保護者と面談を行う場合があります。このときに以下のことを確認しておくと良いでしょう。

・身の回りのことはどこまで自分でできるか?

・どんな家庭環境か?

・特にサポートが必要なことはあるか?

以上のほか、子どもの遊ぶ姿も見られそうであればよく観察しておきましょう。


実際に園児と交流する

在園児であれば、事前に意識的に交流を持つことができます。

これまで通りのクラスの運営をしながら、合間を見て新しく担当する子どもとも交流をするようにしましょう。他の保育士と協力して担任交換や合同遊びなどを企画して進めるとスムーズです。

これは子どもたちにとっても良い試みです。新年度から急に環境や担任が変わると不安になる子もいますが、このような取り組みを通して不安を和らげ、少しずつ慣れていくことができます。


誕生日表を作成しておく

保育園によっては定型の場合もありますが、クラスごとにオリジナル作成の場合は、どんなテーマにするかのアイデア作りから始めなければいけないため、制作に時間がかかります。早めに準備しておきましょう。

保育士の新年度に向けた準備②引き継ぎ編

ここでは、引き継ぎに関する新年度の準備について解説いたします。


今年度担当した園児や業務を園内で引き継ぐ

持ち上がり担任になる場合や、担当業務を引き続き行う場合は、後任者へ引き継ぐ必要はありません。ただし、今年度の資料をしっかりまとめて保管しておくなど、引き継ぎ者がいなくても後々のためにやっておくことをおすすめします。


卒園する園児について小学校に引き継ぐ

5歳児の担任をしていれば、卒園、そして小学校入学という大きな節目があります。無事に送り出し、小学校へつなぐ大きな役目を持っています。

保育施設と小学校間で子どもの情報を共有する「保育所児童保育要録」は、スムーズな連携のためにとても重要です。

年長児クラスの担任保育士が、子どもの性格や成長過程を記入します。卒園後も子どもにとって最適な教育とサポートが受けられるよう、分かりやすく書いて小学校へ提出します。

厚生労働省の「保育所児童保育要録に記載する事項」にある「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を参考に記入します。

この記入は一朝一夕とはいきません。日頃からメモを残しておくなどして、卒園間近で慌てないように準備しておきましょう。

保育士の新年度に向けた準備③環境編

ここでは、保育室など環境について解説します。


保育室の環境を整える

次に使う予定の子どもたちや担任保育士が気持ち良く使用できるように、環境整備をしておき、新年度を迎えましょう。

玩具や絵本は破損していないかチェックし、破損していれば修理か廃棄をします。しっかりと消毒しておくことも忘れずに。

ジムや滑り台、マットなどの室内遊具のほか、未満児クラスであればオムツ台やベビーベッド・ベビーサークル・ベビーチェアー・バウンサーなど、子どもの怪我を未然に防ぐためにも劣化や破損がないか入念にチェックします。

また、靴箱やロッカー・調乳室などは、しっかりと清掃しておきましょう。

子どもたちが新しい保育室に慣れるために、進級するクラスへ一緒に遊びに行くのもおすすめです。


進級する園児の荷物を整理する

進級する園児の荷物を整理するには、保護者に早めに声をかけたりおたよりを出したり、お知らせを掲示するなど工夫し、保護者に協力を求めます。

制作物や季節外れの着替え用衣類などは、早めに家庭に持って帰ってもらうように促します。

荷物は最小限にすることがスムーズな移動のポイントです。


保育教材を発注しておく

保育教材は早めに発注しておくことが大切です。4月に始まってから考えて発注しても、届くまで時間がかかります。

早めの発注のためには、担任発表と同時にクラスの保育方針を練っておく必要があります。また、新しく担当する子どもたちは、現在どんな遊びにはまっているか、どのような方針で保育を行っているかなどを現在の担任に確認すると良いでしょう。

例えば、折り紙制作に夢中なクラスが、突然担任が変わったからやらなくなってしまう、といったことは避けたいところです。

子どもたちが混乱せず、進級してもスムーズに好きなことを行える環境を整えることが大切です。


お名前シールを用意しておく

保育室の中で、ロッカー・靴箱などへ貼るマークやお名前シールは欠かせません。3/31の保育が終わってからの貼り換えとなるので、スムーズに行うためにも、あらかじめマークやお名前シールを用意しておきます。

保育士の新年度に向けた準備④事務作業編

ここでは、新年度に向けて保育士が行う事務作業について解説します。


年間指導計画や月案、週案を作成する

クラス担任の発表があったら、年間指導計画や月案、週案を早めに作成し始めましょう。

特に年間指導計画は、全ての土台となり、前述した教材の発注にもつながるので早めの準備をおすすめします。


4月の保護者へのおたよりを準備しておく

4月の保護者へのおたよりは、新年度最初のおたよりですね。気持ちも新たに、新年度に期待しワクワクしてもらえるようなおたよりを準備しておきましょう。

年間のおたより計画なども作っておくと後々スムーズです。

保育士の新年度に向けた準備⑤連携編

ここでは、同僚や先輩との連携について解説します。


方針や進め方を共有する

複数担任であれば、一緒に組む保育士との連携が大事です。担任発表と同時に、時間を調整して早めのミーティングを行い、方針や進め方を共有しましょう。

幼児クラスは1人担任のことも多いですが、3~5歳児は合同で話し合っておくのも良いでしょう。

保育の方針や進め方を共有するのは、担任同士が同じ方向を目指すために大切なことです。そうすることで子どもたちが安心できる環境が作れます。

また、現在の担任クラスを受け持つ後任の保育士へ、「現在の方針」とそれに対する「子どもたちの様子や成長過程」を共有しておくことも大事です。新担任もそれらを考慮のうえ、進めてくれるでしょう。

逆に自分が受け持つクラスも、前任の保育士に確認することが大切です。


行事や係の担当を割り振る

複数担任であれば、行事や係の担当を早めに割り振ります。

主担任・副担任ごとに役割が決められている保育園もあります。初めて主担任になり、自分が中心になって進めなければいけない時は、先輩や上司に聞きながら進めましょう。

前述した保育の方針や進め方を共有したうえで係分担もしておけば、スムーズに新年度を迎えることができます。


ヒヤリハットの事例を共有する

ヒヤリハットの事例を共有しておき、可能な限り対策も練っておきましょう。

新担任を受け持つクラスが、自分にとって初めての年齢で想定が難しい場合は、先輩に聞いておくのも大事です。

新年度の4月は、新しい環境や新しい担任に慣れていない子どもは不安になりやすく、保育士も慣れていない状況です。そのため、事故や怪我、ヒヤリハットの発生率が高い傾向にあります。

過去のヒヤリハット記録などを参照し、職員間で情報を共有しておき、未然に防ぐ対策を強化しておく必要があります。

特に乳児クラスでは、乳幼児突然死症候群(SIDS)の発生を防ぐため、入眠時のチェックなど体制を整えましょう。初めての乳児クラス担任であれば、なおさら先輩などに教えてもらいながらしっかり対策します。

保育士の新年度に向けた準備⑥式の準備編

いよいよ、入園式・卒園式など節目の準備です。


入園式の準備をする

入園式の準備は、新入園児を迎える場合のみで、持ち上がり担任や進級するクラスの場合、該当することはほとんどありません。

保育園によって異なりますが、0~1歳児クラスの場合は、保護者同伴でセレモニーを行う場合と、慣らし保育のみの場合があります。

3歳児クラスなどではしっかりと入園式を行う場合もありますので、勤める保育園の方針を確認しながら、クラスでどんなことをするか計画すると良いでしょう。


進級式の準備をする

進級式は、在園の子どもたちにとって誇らしい場となるでしょう。ひとつお兄さん・お姉さんになった子どもたちの成長を、保護者と分かち合うセレモニーがあると嬉しいですね。

入園式と同様に保育園によって異なるため、ご自身の保育園での方針を確認しておきましょう。進級式をあえて行わない場合でもクラスでお祝いをすることは可能です。例えばメダルや成長カードの贈呈などあれば、良い思い出になるかもしれません。

新年度のあいさつ例文

新年度のあいさつで何を話すか、しっかり準備しておきましょう。例文を交えて紹介します。


担任を継続する場合のあいさつ

持ち上がり担任の場合は、1年間の感謝の言葉に続き、新年度もよろしくお願いしますという気持ちを表します。

例文:
ご進級おめでとうございます。年長さんにあがったという自覚が芽生え、この1年でさらに成長が楽しみですね。引き続き子どもたちの成長を見守ることができ、大変嬉しく思っております。


担任が変わる場合のあいさつ

担任が変わる場合は、1年間の感謝とともに、また園内で会うこともあると思うので、引き続きよろしくお願いします、という意向を伝えます。

例文:
今日で、○○組の保育は終了し、明日からは○○組に進級します。担任は○○先生です。1年間いろんなことを経験し、たくさん思い出ができました。これからは少し離れたところから見守ることになりますが、いつでも気軽に声をかけてくださいね。1年間ありがとうございました。


卒園児へのあいさつ

卒園児へのあいさつは、思い出を振り返るとともに、小学校へ入学する子どもたちへエールを送る言葉で締めくくりましょう。

例文:
ご卒園おめでとうございます。入園したての時はとても小さかったみなさんが、こんなに立派に大きく育ったことを大変嬉しく思います。○○保育園で楽しく過ごせた時間を胸に、小学校へ行っても、友だちへの思いやりを忘れずに、笑顔で元気に過ごしてくださいね。


卒園児の保護者へのあいさつ

保護者へのあいさつは、0歳から6歳まで最長で6年間、保育園に協力していただきお世話になったことを感謝します。

例文:
この度はご卒園おめでとうございます。○○年のご入園から今日まで、日常保育に関することから行事まで数多くのご協力をいただきましてありがとうございました。至らない点もあったと思いますが、いつも温かく支えてくださり感謝申し上げます。卒園してもぜひ保育園へお子様と一緒に遊びに来てくださいね。


入園児へのあいさつ

入園児へのあいさつは、緊張して期待と不安でいっぱいであろう子どもたちの気持ちをほぐしてあげるつもりで臨みましょう。パペットやペープサート、エプロンシアターなどで子どもたちを惹きつける工夫をすると楽しんで聞いてくれるのでおすすめです。

例文:
○○組のみなさん、こんにちは!入園おめでとうございます。先生の名前は○○です。1年間みんなと一緒に過ごすことになりました。外遊びが大好きです。天気の良い日はたくさん外で遊びましょう。よろしくお願いします。


入園児の保護者へのあいさつ

入園児の保護者は、子どもたちと同じく、期待と不安で緊張していることでしょう。この先生が担任で良かったと思ってもらえるような好印象なあいさつが肝心です。

例文:
ご入園おめでとうございます。○○組を担任させていただくことになりました、○○と申します。皆様のご入園を心待ちにしておりました。初めての園生活を安心して楽しく過ごすことができるよう、誠心誠意努めてまいります。心配事や不安なことも多いかと思います。気になることがございましたらどんなことでも遠慮なくお話しください。1年間どうぞよろしくお願いします。

まとめ

新年度に向けて、やることがいっぱいありますね。

不安に思う方も、本記事で解説した内容をもとに、漏れのないように優先順位をつけながら進めていけば大丈夫です。新担任クラスの子どもたちの顔を思い浮かべながら、きっとワクワクして準備できることでしょう。

新年度、気持ちのよいスタートができるよう、頑張りましょう。

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この記事を書いた人
えんみっけ!事務局長 Y.T
「えんみっけ!」の開発・運営の責任者(園児の子どもを持つパパ)です。
保育に関わる方たちとの交流を通じて、役に立つ情報を発信していきます。

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