【保育士さん向け】保育現場で使えるパソコンの選び方とは?
保護者へのおたよりや月間計画作成、週案、日案作成だけでなく、さまざまなデータ管理や共有が可能なアプリを活用する園も増えています。
今回は「そろそろパソコンが欲しいかも?」と思いつつも、どのようなものを選んだらいいか迷っている保育士の方に、保育の現場で使いやすいパソコンの選び方について紹介します。
そもそも保育士にパソコンは必要?
保育士がパソコンを使用するというイメージは、これまであまりなかったかもしれません。
ですが、保育士が行う事務作業のすべてを手作業ですることは、あまりにも手間がかかり、保育士への負担が大きくなってしまいます。そうした問題を解決してくれるのが、パソコンの導入でした。
新型コロナウイルス感染症の影響もあり、ここ最近は保育の現場もICT化が進み、これまで以上にパソコンの利用が前提となっているという背景もあります。
パソコンを使うことに慣れていないと戸惑うかもしれませんが、長い目で見ると業務改善につながるのです。たとえば、紙やペン、インクなどの消耗品節約にもつながりますし、文書の編集や修正もしやすいというメリットがあります。表やイラスト、画像なども簡単に入れることができますし、レイアウトを考える時間も軽減することが可能です。
このように、園で発生する事務作業を改善ができることから、多くの保育園で導入が進んでいます。
まずは、保育士がパソコンを活用するメリットを見ていきましょう。
■業務効率化のため
保育士の仕事は、書類を作成する場面がとても多い仕事です。
・月間計画作成
・週案・日案作成
・おたより作成
・保育日誌作成
・連絡帳作成
・個人記録作成
これらの書類すべてを手書きで作成しようとすると、多くの時間がかかってしまいます。パソコンを活用することで、書類作成時間の大幅な短縮が実現するのです。
特に、子どもの身長や体重などの成長を記録する表や、登園・降園時間記録、体温の記録、保育料計算など、数字を扱う業務においては、パソコンは大変便利です。
ソフトやアプリを使用すれば、入力するだけで自動的に計算してくれますから、電卓で計算するよりも精度が上がり、ミスが軽減できます。
また、書き損じたときにも簡単に修正が可能で、書類を一から書き直す必要もありません。
■情報共有のため
パソコンを使用することのメリットに、情報共有が簡単にできるという点もあげられます。
紙ベースで書類を作成すると、書類の紛失や紙の劣化などのリスクがあるだけでなく、ファイリングされている膨大な資料のなかから該当するデータを探し出す手間も必要でした。
どんなにきちんとファイリングされていても、そのなかから見たいと思っている資料を探し出すには時間がかかりますし、紙のデータを複数の職員で共有しているため、見解の相違による保管場所の食い違いなども生じやすくなります。
パソコンで情報共有をしていれば、複数の職員がデータを共有して、頻繁に閲覧しても紙のように劣化するリスクはありません。そして、検索をすれば目的の資料を簡単に取り出すことも可能です。
さらに、上司や同僚に書類をチェックしてもらうのも、パソコンだと手間がかかりません。
確認する側としても、自分の都合のいいタイミングで、手軽に確認できるメリットがあります。
■ICT化のため
まず、ICT化とはどのようなものか、簡単に説明します。
ICT化は、これまで手作業で人が行っていた業務を、自動化することです。
保育士の場合、早番、中番、遅番といった勤務時間が存在し、シフト表を作成する場面もあると思います。そのような作業をするときにも、ICTツールにデータを入力するだけで、自動で各項目に反映され、簡単に整ったシフト表を作成することが可能です。
初期設定でフォーマットが作成されているものもありますし、自分でカスタマイズできるものもありますから、大変便利なツールといえるでしょう。
これまでのように、レイアウトやデザインまで自分で調整する必要がないということです。
そしてICT化は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、さらに注目を集めています。
これまで連絡帳で行っていた保護者とのやりとりや、おたより配布なども、ICTツールを活用することにより非接触でのやりとりが可能となります。
<保育士向け>パソコンの選び方
では、保育士が仕事をするためにパソコンを購入する場合、どのようなものを用意すればいいのでしょうか。
パソコンを購入する際には、どのような業務に使用したいかを想定して選ぶ必要があります。
「特定のアプリを使用したい」「お手紙作成に使いたい」「イラスト集を使いたい」など、目的によって選び方が変わってきます。
・Officeソフトの有無
WordやExcelを使用したいと考えている場合は、Officeソフトがもともとついているノートパソコンを購入すると便利です。
Officeソフトがついていないノートパソコンを購入しても、後から必要性を感じて追加購入することは可能ですが、個別でソフトを購入すると結果として高くついてしまいます。
できるだけ安く抑えたいという場合は、Office付きパソコンを選ぶようにするのがおすすめです。
Officeソフトには「Word」「Excel」「PowerPoint」などがあり、お手紙作成や、お知らせなどの文書を作る場合はWordを、月間計画や週案や日案などを作りたい場合は、Excelを使用するのが一般的です。また、PowerPointは、卒園式などに園児の画像をスライドショーにして映すときなどにも役立ちます。
・メモリの確認
パソコンのメモリには4GB、8GB、16GBとさまざまな容量があり、メモリの容量が多ければ多いほど、パソコンの動きは軽快になります。
仕事をするときに、パソコンが重いとそれだけでやる気がなくなってしまいますから、メモリは8GB以上あるパソコンを選ぶのがおすすめです。
・ストレージの確認
次にチェックしたいのが、ストレージです。
ストレージは、ダウンロードしたソフトや写真、動画などを保存するために必要なもので、ストレージには「HDD(ハードディスクドライブ)」と「SSD(ソリッドステートドライブ)」の2種類があります。
HDDはデータ容量が大きく、価格が安いというメリットがありますが、一方で消費電力が多く衝撃に弱い、データ書き込み速度が遅いなどのデメリットもあります。
SSDはサイズがコンパクトで軽量、かつ消費電力が少なく、データ読み書き速度が速いのがメリットです。ただ、価格が高く、データ容量が少ないという懸念もあります。
価格を抑えたい場合はHDD、性能重視の場合はSSDがおすすめです。
・軽いものを選ぶ
外出先でもノートパソコンを使いたいという場合は、軽量なものを購入しましょう。
パソコンを持ち歩こうと思ったときに、軽量であることは想像以上に重要です。
ノートパソコンは平均すると1.5kgから2kgほどとなっていますが、最近では1kg程度の機種もあります。
ただ、軽量であるかわりに、テンキー(数字入力キー)が付いていないものが多いです。
外付けのテンキーを購入して、必要に応じて使用するのもいいでしょう。
・デザイン性
パソコンを購入する際には、そのデザインにも注目したいですよね。
特に仕事に使用する場合は、テンションが上がるようなお気に入りの一台を購入したいはずです。
基本的に必要な機能で候補を決めたら、そのなかから好きな色やデザインのパソコンを選ぶようにしましょう。
・コスパを考える
これまで見てきた機能と、価格のバランスを考えながら、パソコンを選びましょう。
自分が必要とする以上のスペックで、高価なパソコンを購入しても高機能すぎて使いこなせなかったり、使う場面自体がなかったりする場合は活用しきれず、もったいない結果となってしまいます。よく使う機能や、想定する使用方法をよく検討しながらパソコンを選ぶようにしましょう。
また、これまで見てきた機能のほかにも注目したい機能としては、バッテリー駆動時間や、ディスクドライブの有無などがあります。
バッテリー駆動時間とは、外出先でノートパソコンを使う場合、何時間くらいバッテリーが持つかという時間です。バッテリーの減りは、パソコンゲームや動画の編集などパソコンに負荷がかかる作業をした場合、想定よりも早くなりますので、そのあたりも加味して選ぶようにしましょう。
また、保育雑誌を購入すると、よく付録で「イラストデータ集」などがついてきます。そのようなCDやDVDなどのディスクを読み込みたい場合は、ノートパソコンにドライブが必要です。
ドライブ内蔵のものは、やはりパソコンのサイズが大きく、重たくなりがちですので、外付けドライブを購入し、使用するのも一つの方法として考えましょう。
パソコンの基本スキルも身につけましょう!
パソコンを購入したら、せっかくですから基本的なスキルを身につけるようにしましょう。
今後、結婚や出産などで保育士の仕事から離れたとしても、プライベートでパソコンを使えるように、基本的なパソコンスキルを身につけておきましょう。
基本的なパソコンスキルには、以下のようなものがあります。
・タイピングスキル
タイピングスキルとは、パソコン用のキーボードを使用してテキストを入力するスキルです。
キーボードを見ずに文字を入力することをブラインドタッチやタッチタイピングといいますが、そこまではいかなくても、スムーズに入力作業ができれば、何をするにも便利です。
・文書作成ツールの基本的な操作
保育の仕事では、行事のお知らせや毎月のお手紙作成など、なにかと使用する場面が多いのが文書作成ツールです。
文書作成ツールの入力や編集スキルを習得するためには、実際に触ってみるのが一番です。
園だよりなどはフォーマットをもらって、それをベースに入力・編集していくことでスキルを習得できますので、挑戦してみてください。
・表作成、各種計算
保育士が表作成や計算などを行う場面は、計画書作成や職員のシフト作成、備品管理などが考えられます。
まずは表作成からはじめ、必要に応じてフィルターなどで絞りこみなどもできるようにスキルアップしていきましょう。
・メール操作
保育士として仕事をしていると、業者や保護者などとのやりとりでメールを使用する場面も出てくることが考えられます。
新規にメールを作成する方法や、送信方法、受信メールへの返信方法、画像や資料などを添付する方法などは、押さえておきたい基本的な操作です。
メールを取り扱うときには、誤った宛先に送信してしまわないように、注意する必要があります。
個人情報の問題などもありますから、メールをするときには注意するようにしましょう。
・パソコンのフォルダ管理
保育園では、子どもたちの写真や子どもたちの基本的な情報、職員に関わる情報、施設に関する資料など、さまざまな資料をパソコンで管理します。
複数のデータを管理する際に身につけていると便利なのが、フォルダ管理スキルです。
用途別にフォルダ分けしておくことで、必要な情報にアクセスしやすいだけでなく、情報の共有や管理にも便利です。
また、パソコン上で管理することで、パスワードやアクセス制限することも可能ですから、より安全に情報を管理することができます。
まずは新規ファイル作成の方法をマスターし、用途別にフォルダ分けできるようになっておきましょう。
まとめ
保育士がパソコンを購入する際に、チェックしたいポイントを紹介しました。
仕事をしていて気分が上がる、愛着の持てるノートパソコンと出会えるよう、しっかりと吟味してくださいね。
保育に関わる方たちとの交流を通じて、役に立つ情報を発信していきます。
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