【コロナ禍で変化する保育士の就職活動】すぐに実践できる就活成功のヒント

2021.07.30 | 就職・転職 | 給料・環境
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、ソーシャルディスタンスを保ち、人との接触を極力避ける生活様式が定着しつつあります。
これまで、保育士の就職活動は園見学や説明会、選考を経て内定という、対面での採用活動が一般的でした。
しかし、このスタイルでの採用活動は、新しい生活様式では難しいものとなっています。
今回は、コロナ禍の保育士の就職活動が、どのように変化しているのかを解説します。

コロナ禍で変化する保育士の就活スケジュール

まず、就職活動のスケジュールを確認しておきましょう。

これまで、保育士の就職活動は卒業年度の4月頃からスタートし、業界研究や園見学を行い、情報収集をして6月から9月頃にかけて説明会に参加するという流れでした。秋以降就職活動が本格化し、内定は卒業年度の10月頃から出始めるというのが一般的な保育士採用のスケジュールだったのです。

しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により、保育士の採用活動も大きく変わっています。

突然の就活ルール変更で学生に影響が出ないように、従来通りのスケジュールで採用活動を行うよう政府からは促されていますが、どの業界もやはり遅れが出ているようです。

それは、保育業界も同様です。ただ、スケジュールに変更があった場合でも、志望する園の情報収集をあらかじめしっかりしておけば、募集開始時期などを把握することは可能です。

保育学生は事前の情報収集や業界研究、志望園探しなどは早めに行うようにしましょう。

必要以上に不安に感じる必要はありませんので、しっかりと準備を整えておくようにしてください。

コロナ禍の保育士就活の懸念

コロナ禍における保育士の就職活動では、次のような点が懸念されています。


■園の雰囲気をつかみにくい

従来の就職活動では、園見学や説明会などで実際に園に足を運ぶ機会も多く、園の雰囲気を目で見て、肌で感じることができました。

それが、コロナ禍においては極力対面での接触を避ける必要があるため、園見学を実施できないという状況が続いています。

オンラインで園見学や説明会を実施するケースも増えていますが、やはり画面上では、園内や保育士同士の雰囲気を理解するのは難しいのが現状です。


■パソコンが必須

保育士の就職活動でも説明会や面接はオンライン化が進んでいるので、就職活動においてパソコンは必須と考えましょう。

しかし、いつ面接が入るか分からない就職活動においては、パソコンを持っていない、家族と共有しているという場合は、やはり不便さを感じるかもしれません。


■自分のことをアピールしづらい

オンライン面接の場合、対面と比べて表情などが伝わりづらく、自分をアピールしきれないという難しさがあります。

面接前には、伝わりやすい表現を考えたり、必要に応じて外付けのマイクやライトなども用意するなど、しっかりと準備を整える必要があります。

コロナ禍の保育士就活を成功させるためのヒント

コロナ禍はさまざまな活動に制限がかかるため、園見学や子どもと触れ合うボランティアなどの実績を作るのが難しい状況にあります。

だからこそ、家で自分一人でもできる準備を整えておきましょう。


■就活準備は入念に

コロナ禍で、大学などへの通学が難しかったり、友人と出かける機会が減っていると思います。逆にいえば、コロナ禍はゆっくりとした時間を自宅で過ごせるため、絶好のチャンスともいえます。

このお家時間を有効活用して、就職活動の準備を行いましょう。

たとえば保育雑誌を読んだり、人気の絵本情報を収集したり、子ども番組を見るなど、自宅でできる就職活動準備はたくさんあります。

普通の学生時代を過ごしていたら捻出できなかった時間と考えて、この機会に普段触れることがない子どもの世界をじっくりと楽しんでみるのもいいでしょう。

保育に関する引き出しを増やしておくと、面接や就職後実際に仕事をする際にも、大変役立ちます。


■コロナ禍だからこそのアピールを

新しい生活様式において、ITスキルは必須です。

保育士としては、これまであまり重要視されてこなかったITスキルを、仕事で活かせるというのは今までにないチャンスと考えましょう。

昨今の学生は日ごろからスマートフォンやタブレットに親しんでいるので、今後上司となる可能性が高い世代の保育士にはないスキルを持っているということになります。動画作成やアプリを活用した各種データ作成や管理などに対して、抵抗がない人も多いでしょう。

日常的に何気なく使用していると気づかないかもしれませんが、このスキルは実は大変重宝されるものです。

保育業界は、これまでなかなかIT化が進んでこなかった業界です。だからこそ、ITスキルが高い学生は歓迎されるので、しっかりとアピールするようにしてくださいね。


■面接でのリアクションは大きめに

先述した通り、コロナ禍では面接をオンラインで行うケースが増えています。

オンライン授業や、オンライン飲み会などの経験がある方は分かるかもしれませんが、対面と比べると表情や雰囲気が伝わりにくいというのが難点です。対面の時と同じようにリアクションしても、相手に伝わらなかったり、誤解を招いたりしてしまうケースもあるでしょう。

そういったケースを防ぐために、いつもよりも少しリアクションを大きめにとり、採用担当者にこちらの反応を伝えることを意識しましょう。相槌をする際も、画面上でも伝わるようにしっかりと頭を大きく動かします。

ただし、あまりやりすぎてしまうと、ふざけているような印象を与えるリスクもあるので、相手の反応を見ながら調整するようにしてくださいね。


■情報共有を欠かさない

コロナ禍での就職活動は、従来以上に情報共有が重要となります。

実際に保育園に足を運ぶのが難しい状況だからこそ、志望する園や興味がある園に友人が行ったことがあったり、選考が進んでいたりする場合は、どのような雰囲気だったか、どのような内容だったかを教えてもらいましょう。

自分一人では収集するのが難しいような情報も、友人と共有することで、収集することができます。もちろん、自分が持っている情報もどんどん発信していきましょう。


「友人から聞いた話を面接でしても大丈夫かな?」と思う方もいるかもしれませんが、コロナ禍にあっても積極的に自分たちの園について情報収集をしてくれた学生というのは、採用担当者にとっても好印象となります。

「貴園に伺ったことがある友人から聞いたのですが」「先日、知り合いが貴園の前を通りかかった時のことですが」という形であれば、話をしても問題ないでしょう。

園見学などができないことから、志望動機を作りにくいという悩みを持つ学生も多いようですが、情報収集することはその種を見つけることにもつながります。

新しい生活様式の中での採用活動は誰しも未経験です。

だからこそ、協力し合う必要がこれまで以上にあると考え、助け合って就職活動を進めてください。


■コロナ禍ならではのサービスを利用する

コロナ禍における就職活動において、ITツールは必須と考えましょう。

これまでスマートフォンやタブレットで事足りていたという学生も、就職活動においてはパソコンを持っていたほうが便利です。オンライン面接などの画質や映像もよりクリアなものになるので、何とかして手元に用意したいところです。

しかし、なかなか自分で準備するのが難しいという方も多いと思うので、そのような場合、まず学校にパソコンの貸出制度がないかを確認してみてください。コロナ禍対応の一環として、パソコン貸し出しサービスを始めた学校は増えています。


また、自宅の通信環境についても注意が必要です。

オンライン面接をする場合、通信環境が悪いと、まともな選考が受けられないリスクがあります。しかし、面接の場合は周囲が静かであることも必須なので、たとえばフリースペースやカフェのWi-Fiがある環境で面接を受けるという訳にはいきません。

自宅の通信環境を整えるのが難しい場合は、静かな環境で集中して話ができるレンタルスペースの利用なども検討しましょう。


さらに、家族と同居していてパソコンを共有している場合には、他の家族が使いたい時間帯が重ならないように、スケジュールの確認をしっかりとする必要があります。

お互いのスケジュールを把握し、面接時にパソコンを使えるようにしておきましょう。スケジュールの管理には、カレンダーアプリの利用がおすすめです。現在、無料ながら多機能なアプリも多くリリースされているので、ご家族と話し合い、使いやすいものを選ぶようにしてください。

コロナ禍でも変わらないこと

コロナ禍における保育士の就職活動について、これまでとどのように変わるのか、注意点にはどのようなものがあるのかを確認してきました。

ここからは、コロナ禍でも変わらない保育士の就職活動で大切なことについて見ていきましょう。

コロナ禍でも必ず必要になるのが、「自己分析」です。

自己分析を行い、強みや弱みを細かく理解することで、面接で自分をしっかりアピールすることができます。自信を持って自分をアピールすることができれば、一つひとつの言葉の重みも変わってくるでしょう。

また、予想外の質問をされた場合も、慌てることなく対応できるようになります。自己分析をせず、話すことを丸暗記した状態で面接に挑んでしまっても、決まった質問にしか答えることができません。しかし、自分をしっかり知ることができていれば、予想外の質問にも適切な回答ができるでしょう。


■自己分析のやり方

とはいえ、自己分析の進め方が分からないという学生も多いと思います。

そのような場合は、まず自分史を作ってみることをおすすめします。

自分がこれまでどのように育ってきて、どのタイミングで保育士を志すようになったかを細かく書き出してみましょう。

小さなことでも構いません。思いつくままに書き出して、その時に何を考え、どう思ったか、その経験が今の自分にどのように影響しているかを書き連ねていきます。

自分の人生を振り返り、自分への理解を深めることで、志望理由や自己PRの軸を見つけていきましょう。

まとめ

子ども番組を見たり、絵本を読んだりする時間というのは、もしかしたらコロナ以前ではなかなか持てない時間だったかもしれません。

制約が大きく、就職活動しにくいと感じている学生も多いかもしれませんが、コロナ禍だからこそじっくりと取り組める活動もあります。

また、業界研究や志望する園探し、志望動機や自己分析などに、従来の学生以上に取り組む時間的余裕があるというのも、大きなメリットと考えられます。

今は大変に感じるかもしれませんが、実際に保育士として仕事を始めた時に、このコロナ禍の日々はプラスに作用していると実感できることもあるはずです。

今だからこそ取り組める活動に、ぜひじっくりと取り組んでみてくださいね。

この記事を書いた人
えんみっけ!事務局長 Y.T
「えんみっけ!」の開発・運営の責任者(園児の子どもを持つパパ)です。
保育に関わる方たちとの交流を通じて、役に立つ情報を発信していきます。

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