保育士の服装選びの基本とは?シーン・季節・アイテム別に詳しく解説
そこで本記事では、保育士の服装選びの基本をシーン・季節・アイテム別に詳しく解説します。
服装について不安なポイントがある方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。
保育士の服装選びの基本4ポイント
まずは保育士の服装選びの基本となる「4つのポイント」についてお伝えします。
独自のルールを設けている、ロゴ入りの制服貸与がある、などの園もあるので、勤務先のルールを把握しつつ、下記のポイントは必ず押さえておきましょう。
■動きやすいもの
保育士はたくさん動くので、動きやすい服が鉄則です。
保育中子どもと一緒に運動をしたり踊ったり、立ったりしゃがんだり、子どもを抱っこしたりなど、さまざまな動きをします。
そのため、可動域の狭いかっちりした服装は好ましくありません。
肩回り、肘、膝、腰回りなどがある程度ゆったりしている、なるべく動きやすいものを選びましょう。
■安全なもの
保育士の服装選びでは、子どもの安全を第一に考えなくてはなりません。
保育士の服装も子どもたちにとっては保育環境のひとつです。予測される事故や怪我等の危険は回避しておきましょう。
子どもを抱っこした時に引っかかりそうなものや絡まりそうなものは、子どもだけでなく保育士自身にも危険が及ぶので、気をつけましょう。具体的なNG例は後ほど紹介します。
■保護者からの印象の良いもの
服装がもたらす印象は想像以上に大きいです。
保護者の方は、あなたが信頼できる保育士であるかどうかを見ています。
社会人としての身だしなみに気を遣い、だらしない服装や華美なものは避け、清潔感のある服装を選びましょう。
■洗濯しやすいもの
子どもの世話や日々の保育で服が汚れてしまうことは珍しくなく、着替えが必要な事もあります。
そのため、汚れても気にならず洗濯機で洗える服を選びましょう。洗濯頻度が多くても耐えられるものが好ましいです。
【保育士の服装】季節別の選ぶポイント
ここからは、保育士の服装の季節ごとに選ぶポイントについてお伝えします。
■春
春は過ごしやすい季節ですが、日中と朝晩の気温差や、日によっての寒暖差が激しい季節でもあります。基本的には薄手の長袖Tシャツで、寒い時は上着を羽織るなど、重ね着で調整すると良いでしょう。
5月ともなれば初夏の陽気の日もあります。そんな日は半袖Tシャツでも過ごせそうです。紫外線が強い季節でもありますので、UVカット素材の服やアームカバーがあると良いかもしれません。
花粉対策も必要です。花粉が吸着しやすい、毛糸やウールを避け、吸着しづらく手で払えば取れるような素材を選びましょう。コットンやリネン素材、綿ナイロンがおすすめです。
■夏
気温が高く汗をかく季節なので、汗を素早く吸収して乾かしてくれる「吸湿速乾」の服がおすすめです。
外遊びや水遊びの機会も増えますが、紫外線はさらに厳しいです。帽子やアームカバー・UVカット素材の上着等でしっかり対策しましょう。
室内でエアコンがきいている時に体を冷やし過ぎないよう、薄手の上着を用意しておく事が望ましいです。
■秋
秋は春同様、過ごしやすい季節ですが、日中と朝晩の気温差や、日によっての寒暖差が激しい季節です。この気温差で体調を崩しやすい季節でもあるので、重ね着等で工夫しましょう。
秋が深まってくると、少し厚手の上着が望ましいです。かといって着込むのではなく、保育しやすいアイテムを選びましょう。
また、紫外線は10月頃までは強いので、UVカット素材の服を選ぶのも忘れないでください。
■冬
冬は気温が低くて寒いので、短時間の外遊びやお散歩でも体が冷えないようにしっかり対策しましょう。
外遊びやお散歩には、フリースなど温かい素材で動きやすいアウターがおすすめです。また、防寒機能つきのインナーも、芯から体が冷えてしまう事を予防してくれます。
ボトムスは、すっぽり腰を覆う防寒機能つきのインナーや、厚めのソックス、裏起毛の性能があるパンツなどで寒さ対策しましょう。
マフラー・手袋は事故に繋がる可能性があるので、保育中はつけません。
一方、室内は暖房がきいているので、厚着し過ぎると汗ばんでしまう可能性もあります。室内では薄着になれるよう、着脱しやすいもので調整する事が大切です。
【保育士の服装】アイテム別のおすすめは?
ここからは、エプロンやトップスなどアイテム別のおすすめを解説します。ただし、保育園によってルールがあるので、勤務先のルールをよく確認してから選びましょう。
■エプロン
エプロンは保育士の服装としては定番の必須アイテムです。運動時は着用しない園でも、食事配膳・食事指導時や授乳時等に着用します。衛生面でも大切なアイテムといえます。
エプロンには、さまざまなタイプや素材・デザインがあります。
保育士におすすめのデザインは、「頭からすっぽりかぶるタイプ」の体を覆うものです。
乳児を抱っこしたり授乳したりする時など汚れやすいので、覆うタイプだと汚れが服にまで及ばず最小限にできます。
すっぽりかぶるタイプのエプロンの中でも、ゴムになっているものか、軽くボタンでとめるようになっているものは着脱が簡単でおすすめです。忙しい中着脱しないといけない場面も多々あるので便利でしょう。
また、保育中に必要なものなどをポケットに入れておけるように、大きめのポケットや複数のポケットがあるものも便利です。
子どもたちに人気のキャラクターものや、子どもとの会話のきっかけになるような動物や車のプリント入りのものもおすすめです。
しかし、キャラクターものを禁止している保育園もあるので、勤め先の保育園のルールに従いましょう。
■トップス
トップスには半袖・長袖のTシャツが適しているでしょう。または冬場ならトレーナーでも良いです。
子どもの肌にも触れる可能性があるため、肌に優しいコットンやリネン素材、綿ナイロンがおすすめです。
■ズボン
保育士にとって、ズボンのチョイスは結構難しく、悩まれる方も多いでしょう。動きやすさや汚れても良いものを選びたいですが、できるだけ”きちんと感”を出さなければなりません。
そんな時重宝するアイテムがチノパンです。
チノパンは、コットンやポリエステルなどの柔らかい素材からできています。ストレッチ性に優れているものもあり、動きやすいというメリットがあります。
気をつけなければいけないのがサイズや裾周りです。
ズボンのサイズが合っていないと、しゃがんだ時に背中が見えてしまう、ズボンの裾が床についてしまい引きずるなどして、だらしなく見えてしまいます。
購入の際はしっかりとウエスト・ヒップのサイズはもちろん、股上・股下も確認の上、可能であれば試着して確認しましょう。
■ジャージ
ジャージはとても動きやすく扱いやすいので着用する保育士もいますが、保育園によってはジャージやデニムジーンズを禁止にしているところもあります。
ジャージはどうしても保護者の方から見てもだらしない印象を与える可能性があるので、禁止していない場合もできれば避けた方が無難です。
園のルールを確認し、先輩保育士の服装をよく観察してみましょう。
園によっては、ジャージ着用可能な園もありますが、その場合もデザインや着こなし方によっては印象が悪くなるので、選び方には注意が必要です。
コツとしては、体のラインにぴったり合うサイズ感とスマートなデザインで、すっきりした印象になるようなものをチョイスすると良いでしょう。
【シーン別】保育士の服装のポイント
続いて、出勤時や研修時など、シーン別の保育士の服装のポイントを解説していきます。
■出勤時・退勤時
通勤時については、オフィスカジュアル程度のビジネス感のある服装をおすすめします。
パリッとしたスーツやシャツほどではなくても、シャツやブラウス、カットソー等とチノパンやコットンパンツなどでも良いでしょう。
どこで誰が見ているかわかりません。園の玄関で保護者に会ったときでも悪い印象を与えないような私服を心掛けましょう。
ほとんどの保育園が、衛生的な観点から通勤着と仕事着は分ける、つまり出勤してから仕事着に着替える事を義務付けています。そのため、保育時の服装のまま通勤するのは避けましょう。
保育中同様、勤務先のルールをしっかり確認し、先輩保育士の服装も参考にしましょう。
■保育中
前述の通り、保育中は子どもの安全を第一に考えた服装を選ぶ事が重要です。
保育士は子どもと多く触れるので、子どもの肌に優しいコットンやリネンなどの素材の服を選びましょう。
また、動きの多い職業でもあるので、汗を吸収してくれるもの、外遊びやお散歩時など調整可能な上着を用意します。動きやすさは重要ですが、ルーズに見えない程度にきちんとしている印象を持たれる服装、サイズが合っているものを心掛けます。
汚れる事も多いので、手入れが簡単で洗濯に耐えられる丈夫なものを選びましょう。安価な服はすぐに毛玉になったりヨレヨレになってしまったりするので注意が必要です。
■卒園式などフォーマルなシーン
子どもたちの門出を祝う、晴れ舞台でもある卒園式や入園式。こういったシーンでは服装が決められている保育園もあるので、事前に確認しておきましょう。
「園長と主任と卒業する年長児のクラス担任のみ着物か袴、その他の先生はスーツ」「全員スーツ」などそれぞれの園でルールが違います。
入園式は、初対面の子どもたちや保護者と出逢うシーンでもあります。きちんとした印象とともに明るい印象を与える服装を心掛けましょう。
春らしい明るめの色のスーツが一般的ですが、あくまでも主役は子どもたちなので、派手過ぎずシンプルで落ち着いたものを選びましょう。
例えば女性の場合、スカートの丈はひざ丈かひざ下まであるもの、肌が透ける程度のベージュのストッキングを着用し、パンプスはヒールがあまり高過ぎないものにします。
■研修
保育士は、園内研修や外部の研修に参加する機会が多くあります。研修に参加する際は、その研修内容に合わせた服装を選びましょう。
講義や講演会など座学中心の場合は、スーツかビジネスカジュアル(シャツ・ブラウス、カットソーとパンツ、丈が膝かその下くらいのスカートなど)が望ましいです。
体操やダンスなど、体を動かす実技研修の場合は、動きやすいズボンとスニーカーがおすすめです。普段の保育でも使用している、シンプルなTシャツまたはシャツとチノパンでも問題ないでしょう。
研修によっては服装の指定や、現地で着替えるように指定されている場合もありますので、事前に確認しておくことも重要です。
そして外部研修では、園の看板を背負っていることを肝に銘じましょう。学びに来ているのだという事を自覚し、園の代表として恥じない身だしなみや行動を心掛けなければなりません。
【保育士の服装におけるNG例は?】
最後に、どのような服装が保育士としてふさわしくないのか、具体的なNG例を見ていきましょう。
■動きにくい服装
保育士はかなり活発に体を動かす職業です。
サイズが小さめできつい、素材が固い、可動域が狭い等の動きにくい服は避けましょう。無理に着ていると動きが制限されるだけでなく、破けてしまう事態にもなりかねません。
■露出が多い服装
保護者から見て良い印象はまずありません。特に女性の服装において、露出が多いとだらしない、派手、保育士としてふさわしくない、などと思われてしまいかねません。
また、乳児クラスなどでは服の襟ぐり等を掴まれる事もよくあるため、襟ぐりの広いトップスを着るのは避けましょう。
■清潔感のない服装・だらしない服装
汚れている、くすんでいる、服がヨレヨレ、など、清潔感がないのもNGです。だらしない印象も与えます。
ジャージやダメージジーンズもだらしない印象を与えるので、禁止されていなくても避けておいた方が良いでしょう。
■装飾が多く派手な服装
派手な服装は、保護者に良い印象を持たれないだけでなく、危険をともないます。
小さなボタンやビーズ、スパンコールなどの装飾がついていると、子どもに引っかけてしまって怪我をさせてしまう、装飾が取れて落ちた時に、知らぬ間に子どもが拾って口にするなど、誤飲事故に繋がりかねません。
また、フードつきパーカーなどは、子どもが興味を持って紐を引っ張った拍子に紐が絡んでしまうかもしれません。フードを急に後ろから引っ張られて保育士の首を絞めてしまうかもしれません。
子どもを巻き込む怪我も、保育士自身の危険も防ぐためにも、危険性の高い服装を避け、なるべくシンプルで装飾のない服装を選びましょう。
まとめ
保育士は、子どもへの配慮を意識し、子どもの安全を第一に服装を考え、そのうえで保護者や周囲からの見られ方にも気を配らなければなりません。
それらを意識しつつ、素敵な保育士さんとして清潔感があって明るく元気な印象を与える服装選びを心掛けたいですね。
保育に関わる方たちとの交流を通じて、役に立つ情報を発信していきます。
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