保育士の「就職フェア」とは?参加するメリットや必要な準備について解説
就職フェアに参加するメリットと、参加するにあたって知っておきたいポイントや、何を準備すれば良いのかなどをまとめました。ぜひ参考にしてください。
保育士の「就職フェア」とは?
保育士専門の就職フェアとは、保育学生や転職志望の既卒の方などで「保育士として働く場」を探す方に向けて開く合同説明会です。保育施設などを運営する多数の法人や企業が一堂に会し、来場する就職希望者に説明やアピールをします。
今やネットでさまざまな情報が手に入る時代ですし、保育学生なら学校でも情報収集はできます。しかし、現場の方々から直接話が聞けるのは貴重な機会です。
■就職フェアに参加できる人は?
保育士専門就職フェアの参加資格は特にありません。
保育現場で働きたい意欲のある方ならどなたでも参加できます。
一般に向けて開く保育園などの就職フェアでは、卒業見込みの学生のほか、転職・就職希望の既卒の方でも参加可能です。
多くの就職フェアにおいて、保育士だけでなく看護師・栄養士なども参加できます。
また、指定保育士養成学校(大学・短大・専門学校)の卒業見込みの学生のみを対象にしている就職フェアもあるので、よく調べてから参加しましょう。
■就職フェアはいつ開催している?
就職フェアの開催時期は、新卒の就活生限定就職フェアの場合で、多くが3~9月頃までの期間で開催されます。
一般に向けて開かれる、在学中・新卒・既卒を問わず参加できる就職・転職フェアは、ほぼ通年開催しているものもあります。
通年開催している就職・転職フェアでは期間に縛られず、自分のタイミングで参加できるのが魅力です。
■説明会などとの違いは?
「就職・転職フェア」のほかに「合同企業説明会」「就職セミナー」などがあります。
どれも同じようではありますが、微妙な違いはあるので把握しておきましょう。
・合同企業説明会
就活生に対して企業側が説明することに重点を置いたイベント。自社アピールのプレゼンテーションなど、一度にたくさんの求職者に向けて行う傾向が強い。
・就職セミナー
就職活動や希望する職種・業界に関する、役立つ内容の講演会やワークショップ(体験型セミナー)などが主流。自社のPRよりも参加者の体験を重視するイメージ。
・就職/転職フェア
合同説明会と就職セミナーをミックスしたもの。各ブースに加えて、セミナー会場や休憩場所など、参加者が気軽に楽しめる工夫がちりばめられている。
保育士の「就職フェア」に参加するメリット
就職フェアに時間を割いて参加する必要性があるのか、どのようなメリットがあるのか、疑問に思う保育士もいるでしょう。
ここでは、就職・転職を考える保育士が就職フェアに参加するメリットを解説します。
■現場の保育士や園長と直接話せる
現場の保育士や園長と直接話すことができて、自由に質問もできることは大きなメリットです。面接などのかしこまった場ではなく、ざっくばらんに会話が可能です。
どんな保育園なのか、どんな保育方針なのか、職員の福利厚生やサポートはどのようになっているかなど、就職活動の中ではなかなか聞けないことを直接聞けるチャンスです。
また、現場の保育士のリアルな声を聞くことができます。実際に働いてみてどうか、仕事のやりがいや苦労、保育への取り組み方など、貴重な話をしてくれるでしょう。
先輩方の実体験に基づく話は、将来働く環境の雰囲気などがイメージでき、自分が働きたい場所を見極めるヒントにつながります。
■園の雰囲気が分かる
ネットの情報や学校にある求人票、資料だけではなかなか分からない園の雰囲気が分かります。
職場の人間関係や雰囲気は、多くの就活生が不安に思うことでしょう。
通常の就活では、園におもむくのは園見学と面接のわずかな時間ですので、園の雰囲気や一緒に働くことになる同僚の様子まで掴むことは難しいです。
その点、就職フェアでは直接保育士の話を聞いたり、実際の園の説明を受けたりすると、雰囲気や熱意を感じることができます。
■さまざまな園の比較ができる
就職・転職フェアでは、一度に複数の園の情報を得て、さまざまな特色の保育園を比較することができます。
また、気に入ったらその場で園見学や面接の予約ができるケースもあります。
こうした仕組みは効率良く就職・転職活動ができ、忙しい方にぴったりです。
多岐にわたる法人や企業が運営する保育施設のブースがあり、情報を1日で集められてリアルに肌で感じられる、これほど便利なものはありません。
園によって方針も特色もさまざまです。その中で、自分はどんな環境で働きたいのか、どんな保育方針に共感できるか、直接見て話を聞いて、自分がしっくりくるもの、ワクワクを感じたものを選ぶことができます。
■人脈ができる
就職・転職フェアには、各ブースにたくさんの保育施設関係者が参加しています。運営会社の方、社会福祉法人の方、現場で働く園長や保育士さんたち。そういった方々と話せるチャンスはとても貴重です。
また、現場で頑張っている先輩保育士さんや、保育士を目指す仲間同士が知り合える場でもあります。経験談を聞いたり、積極的に情報交換をしたりしましょう。
さらに、あなたが将来勤めるかもしれない職場での人間関係構築の第1歩となるかもしれません。事前に知り合っていると、もし就職が叶い再会した時に、スムーズに打ち解ける可能性が大きいです。
合否には関係ありませんが、ここでの人脈作りはとても重要です。
「就職フェア」でより良い情報収集をするためのポイント
ここでは、就職・転職フェアへ参加した時の、より良い情報収集をするためのポイントをお伝えします。
■出展法人をあらかじめチェック
参加する就職・転職フェアを決めたら、まずは出展法人や企業をあらかじめチェックしましょう。
ほとんどのフェアでは、公式Webサイトなどで確認できます。
気になる園や興味がわく園が見つかったら、さらにその園のWebサイトを確認するなど、下調べをしておきます。
もっと知りたいポイントや、Webサイトを見ても分からなかった点をピックアップしておくことで、当日の限られた時間内で効率良く回ることができます。
また、下調べをしておくと、園の職員との会話がスムーズになり「事前によく調べてくれた」と好印象を持ってもらえる可能性があります。
■事前に各園に聞く質問内容を用意する
前述したように、出展法人の確認と気になる園の下調べをして、もっと知りたいポイントや、Webサイトを見ても分からなかった点をピックアップしておくことは、質問内容の用意にも役立ちます。
また「どこの園でもこれは聞きたい」という質問も用意しておきます。
同じ質問を投げかけることで、その返事から園の雰囲気や姿勢などを感じ取ることができ、比較の参考になるでしょう。
自分が就職・転職で重視したい点も、就職試験の面接ではなかなか聞きづらくても、このような場ではざっくばらんに質問が可能です。
例えば、保育方針や園の特徴、働く職員の年代、勤務シフト、妊娠出産後も多くの職員が活躍しているかなどをピックアップしておきます。
■目星をつけた園だけでなく、多くの園のブースを巡る
フェア当日は、事前のチェックで目星をつけた園だけでなく、多くの園のブースに立ち寄ってみましょう。
限られた時間内で、たくさんのブースを回るのは少し大変かもしれませんが、せっかくのチャンスです。自分も知らなかった新しい世界が広がり、思いもよらない出会いがあるかもしれません。
あまり注目していなかった園でも、実際に話を聞いてみたらその魅力に気付くこともあります。
■パンフレットや資料を持ち帰る
就職・転職フェアでは、各ブースや資料コーナーで資料がもらえます。
多くのブースを回ると、会話内容や園の雰囲気を忘れてしまうこともあるかもしれません。
もらえる場合は積極的に資料を受け取り、回った園の情報を自宅でじっくり見直しましょう。
また、参加している企業や法人の求人用パンフレットや資料を、無料で持ち帰ることができる「資料コーナー」も設置されています。
話を聞けなかった園の情報も持ち帰って、あとでじっくり検討することができますので、利用すると良いでしょう。
「就職フェア」の服装や持ち物は?
就職・転職フェアでは、どのような服装、持ち物で参加するのが良いのか解説します。ぜひ参考にしてください。
■服装
学生向け限定の新卒就職フェアの場合は、リクルートスーツでの参加が望ましいです。
一般向けの、服装について特に記載がない就職フェアでも、ビジネス感を出すためスーツで参加するケースもあります。
しかし「服装自由」「カジュアル可」としているフェアでは、カジュアルな服装も可能です。常識の範囲で清潔にしていれば問題ありません。
靴は、広い会場内でたくさんのブースを回るので、できるだけ足が疲れにくく動きやすい靴が望ましいです。
スーツの場合はパンプスが望ましいですが、なるべく歩きやすいヒールの低いパンプスか、スーツと違和感のないフラットシューズをおすすめします。
服装自由であれば、スニーカーでも問題ありません。
■バッグと持ち物
バッグは服装に合わせます。スーツであれば、なるべくビジネスバッグに近いものか、トートバッグが良いでしょう。
ブースを回ると、園の資料やパンフレットなど大きめのサイズの資料をもらうため、A4サイズの資料がすっぽり入るものや、出し入れが楽なものがおすすめです。
忘れず準備しておく持ち物はメモ帳と筆記用具です。ブースで話を聞く際に必要となります。
なお、面接ではないので「履歴書不要」と明記されているフェアも多いです。明記されていれば、履歴書を持参する必要はありません。
■ヘアスタイル・髪色・メイク・ネイル
ヘアスタイル・髪色・メイク・ネイルなどは、面接時ほどこだわる必要はありません。
しかし、ブースによっては面接や見学予約ができるため、就職活動のスタートと考えれば、あまり奇抜で派手な印象を与えるのは望ましくありません。
社会的責任のある保育士という職業を目指している自覚を持って、どう見られるかを考えましょう。
参加している方々に好印象を持ってもらえるような服装とアクセサリーやヘアスタイル、メイクである必要があります。
「就職フェア」は保育士就活のスタートにも最適
■情報収集のポイントが分かる
保育学生が就職活動を始めるにあたり、情報収集はとても大切です。
しかし、どうやって情報収集をすれば良いのか、実際のところよく分からず悩んでいる就活生も多くいます。
たくさん掲載されている求人票のどこを重視して見れば良いか分からない、ネットで検索するにも情報が多すぎて、どうすれば自分に合う園に出会えるか分からない、といった悩みはよくあるものです。
就職フェアでは、各ブースで園の情報を詳しく説明してくれる場であると同時に、実際に現場からさまざまな話が聞ける場です。
そのため、自分が求めている情報や知っておくべき基本的な知識など、情報収集のポイントが理解できます。
■自分の希望が見えてくる
保育士就職・転職フェアは、一度にたくさんの企業や法人が運営する園を知ることができ、基本的な情報や特色、保育方針、園の雰囲気などを感じ取ることができる機会です。
多くの情報に触れ、じっくり比較検討することで、自分の希望が見えてきます。
自分はどんな保育がしたいのか、どんな環境で働きたいのかなどの目標や方向性が見えてきて、就職活動をするうえで重視すべき点が明確になるでしょう。
■保育士を目指す仲間に出会える
保育士就職フェアでは、学校以外の場所で、保育士を目指す仲間に出会える場所でもあります。積極的に交流を持ち、情報交換すると良いでしょう。こうした交流が、将来きっとあなたの役に立ちます。
例えばフェアで偶然仲良くなった人と、面接や見学で一緒になり、ご縁があって同じ園に勤めることになる可能性もあります。
このような縁は大切にしましょう。将来、互いに励まし合う仲になれるかもしれません。
まとめ
保育士専門の就職・転職フェアについて解説しました。
興味はあるけど、実際どんなところなのか不安に思っている人も、参加した時に何をポイントにどう動けば良いのか知りたい人も、ぜひ記事の内容を参考にしてください。
フェアに参加して、自分の希望の方向性を見いだし、あなたに合う保育園が見つかることを願っています。
保育に関わる方たちとの交流を通じて、役に立つ情報を発信していきます。
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