保育士面接でベストな自己PRを行うには自己分析がポイント!
限られた時間で自分を知ってもらい、かつ、その保育園・幼稚園で活躍できる人材であると認めてもらうためには、効率よく情報を伝えることが大切です。
そのためにも、あらかじめ自己分析をしっかりと行い、面接では面接官の質問の意図をくみ取った回答を心掛ける必要があります。
今回は、面接の基本的なポイントやマナー、そして保育士面接で重要視される自己PRについて詳しく紹介します。
保育士面接の基本ポイント

まずは、保育士面接で押さえておくべき基本のポイントを確認しておきましょう。
■園の基本情報はしっかりと確認する
まず、ホームページなどを活用して、志望する園の基本情報をしっかりと確認しておきましょう。
「何を調べればいいか分からない」という場合は、まずはホームページで園の基本方針や園長の挨拶、理念などを一読し、共感する部分などを書き留めます。その作業を進めながら、自分が保育士として、なぜこの園で仕事をしたいと感じたのかも考えておきましょう。
基本方針や理念に共感する部分がある場合は、調べているうちに志望度も上がってきますし、自分がしてみたいと思う保育を実現できるかどうか、具体的に落とし込むことも可能です。
また、園のホームページには園児たちの一日の過ごし方などが掲載されていることもありますので、そのあたりもぜひチェックしておくといいでしょう。
■身だしなみチェックは抜かりなく
面接で自信を持って、自分の保育に対する情熱や、この園で働きたいという想いを伝えるために、まずは「この人の話を聞いてみたい」と感じる清潔感のある身だしなみを心掛けることが重要です。面接官からの第一印象をよりよいものとするために、しっかりと準備しておきましょう。
保育士は、子どもたちや保護者と密接に関わる仕事ですから、「この人なら大丈夫だ」と安心感、誠実さを感じてもらうことができる服装や、立ち居振る舞いが大切になります。見た目というのは、簡単に整えることができるうえに、相手への印象を大きく変えることも可能です。
整った身なりは「志望度の高さ」の表れとして、園側に印象を残すことができると考えましょう。
ここからは、面接にふさわしい身だしなみについて、もう少し詳しく見ていきます。
・ヘアスタイルについて
女性の場合、髪の毛が結べる長さの場合は後ろで束ねましょう。短い場合も、髪で顔が隠れてしまうことがないように、耳にかけてすっきりと見えるようにします。
男性も、清潔感ある印象を残せるように、短く整え、耳を出すスタイルにしておきましょう。
整髪料のつけすぎは、かえってよくない印象を与えかねないので、ほどほどにしておきます。
・メイク・アクセサリーについて
女性の場合、華美なメイクは避け、シンプルでありながらもきちんと感を演出できるナチュラルメイクを心掛けましょう。保育士の面接ですから、ここで華やかにと、目立つ必要はありません。
チークなどは肌になじむものを選び、健康的な明るいメイクを心掛け、マスカラやアイシャドウもつけすぎないように注意してください。
男性の場合、お洒落の一環として髭を伸ばしている方もいるかもしれませんが、清潔な印象を与えられるように考えて、整えるようにしてください。基本的には、髭は剃っていたほうが、相手によい印象を残すことができます。
また、ネイルも見落としがちですが、大切なポイントです。
小さな子どもと関わる仕事ですから、子どもを傷つけることがないように、爪は短く切りそろえておきましょう。アクセサリー類も、万が一子どもにケガをさせることがないように、つけないほうが無難です。面接時も同様に考え、着用は避けましょう。
・スーツについて
面接時には基本的にスーツ、もしくはジャケットを着用します。
「スーツなら何でもいい」というわけではなく、きちんと手入れされたスーツを着用し、清潔感ある身だしなみを心掛けましょう。シミやシワがないか、前日にはクローゼットから出して確認し、当日を迎えるようにします。
場合によってはレンタルしたスーツなどでも構いませんが、ジャストサイズのものを選ぶようにすることで、整った印象となります。
そして、インナーに着用するシャツは、基本的に白を選びましょう。ここでお洒落を主張する必要はいりませんから、柄物などは避け、薄いピンクや水色くらいにとどめます。
女性の場合、パンツスタイルでもスカートでも構いませんが、スカートの場合は膝丈くらいが好印象となります。 男性は、襟もとやネクタイに乱れがないかは特に注意しておきましょう。
・靴やカバンについて
靴やカバンは黒や茶色といった、落ち着いたシンプルなものを選びます。一目でブランド物であることが分かるようなものは避けたほうが無難です。
また、当日書類が配られることも考えられるので、A4サイズの書類が納まるサイズのもので、面接中に足元においても問題がない、自立するタイプのバッグがいいでしょう。
続いて、靴に関してですが、女性は3㎝~5㎝くらいのローヒールを選ぶようにしてください。男性は革靴であれば、特に問題ありません。
靴は前日には磨いて、しっかりとツヤを出しておくといいですね。
■話し方・表情も意識する
面接で緊張するのは分かりますが、第一印象は非常に重要です。待合室に入室する際にも、明るく挨拶するようにしましょう。待ち時間なども、下を向いてうつむくのではなく、できるだけにこやかに顔を上げておきます。面接会場のスタッフや、面接官と話をする機会があったら、明るく、はきはきと話すように心掛けてください。
面接中も、もちろん同じです。
相手の目を見て、あまり早口になりすぎないように注意しながら、自分の言葉で話をすることが大切です。
上手に、滑らかに話をしなくては、と緊張しすぎる必要はありません。
保育士は特に、相手に安心してもらうことが必要な仕事です。
信頼を得られるように、誠実に言葉を選び、丁寧な立ち居振る舞いを心掛ければ、その姿勢は面接官に伝わります。
■丸暗記にならないようにする
いざ、面接が始まったときに注意すべきことは、自分の回答でやりとりが終わってしまわないような話し方を心掛けることです。
ここで気をつけたい点が、あまりに準備をしすぎていくとかえって緊張してしまい、回答につまるケースもあるということです。台本のように一語一句暗記していくと、面接官が想定とは違うことを質問してきたときに、回答につまることも出てきます。また、「暗記した内容を間違えてはいけない」と意識してしまい、話し方がぎこちなくなってしまうこともあるでしょう。
■マイナスな話で終わらせない
面接の流れで、これまでの失敗や辛かったことなどを質問されることもあるでしょう。そのときに大切になるのは、「なぜ、こんな話を面接でしているのか」と考えることです。面接官は、失敗や辛い経験をどのように乗り越え、その結果としてどのように成長できたと自分で感じているかを知りたいと考えていることが予想できます。
実際に保育士として仕事をする中、大変なことがたくさん出てくることは、みなさんにも想像できると思います。そのようなときに、どのように対応できる人かを見極めようとしているのです。
質問に回答し、失敗や辛い話をしているとネガティブに終わってしまいがちですが、ここはポジティブにしめくくることが重要といえるでしょう。
「このような失敗をしたけれど、その経験があったからこそ◯◯な力が付いた」
「辛い経験があったからこそ、メンタル的が強くなった」
保育士面接で自己PRが重要となる理由

保育士面接に限ったことではありませんが、「1分間で、自己PRしてください」と言われることは珍しくありません。
採用されるためには、他にも学生がいる中で、自分が「この保育園で必ず役に立つ人材である」ということをアピールする必要があるのです。
保育士は、子どもとその保護者、そして保育士同士と、たくさんの人と関わりを持つ仕事です。つまり、その人柄が大変重要視される職業ということになります。
学歴や資格などに大きく差がない場合は、「この人と一緒に仕事をしたいか」という点が保育士採用におけるチェックポイントとなり、人柄や雰囲気を面接という限られた時間で見極めなくてはいけませんから、園側も自己PRを重視する傾向にあるのです。
自分がどのような人間で、どのような経験をしてきたのか、その経験からどのように成長できたのかをしっかりとまとめておきましょう。
保育士面接で行う自己PRのポイント

保育士面接で自己PRを行うとき、どのような点に注意すべきでしょうか。
おさえるべきポイントを理解し、準備を整えましょう。
■まずは自己分析をしっかりと
自己PRをする際に、その鍵となるのは自己分析です。
まずはノートなどに自分がなぜ保育士を目指したのか、その理由となるエピソードや、保育に関する勉強をしてみて感じたこと、実習で学んだこと、子どもが好きな理由、子どもをどのような存在と捉えているかなど、思いつくままに書き出してみましょう。
ただ単に「子どもが好き」という理由でおしまいはなく、それにまつわる具体的なエピソードが添えられれば、説得力が増すだけでなく、人となりを伝えることも可能ですから、思いついたものはどんどんメモに残します。
最後に、書き出したものの中で、自分がより重要視することなどをチェックしていくと、自然と自分が保育士を志望した理由や、自己PRポイントなどが見えてきます。少々時間はかかるかもしれませんが、自分がどのような人間であるかをしっかりと分析しておくことは、面接準備にとても役立ちます。
そして、それは自分の核となる部分を再発見する作業となりますから、面接におけるあらゆる質問に筋を通った回答をする下準備となるのです。
■話に具体性を持たせる
保育士を目指す理由と聞かれると、多くの学生が「子どもが好きだからです」と回答しがちです。
保育士を目指す時点で、子どもが好きなことは想定されていますから、面接官としてはそこからもう一歩踏み込んだ、具体的なエピソードを期待しています。
たとえば、自分自身の経験や、保育実習での具体的なエピソード、親戚の子どもとの関わりなど、保育を志すきっかけや、学ぶ中でもさらに背中を押されるような具体的なエピソードは必ずあるはずです。
そういった具体的な内容を、自己PRに盛り込むようにするといいでしょう。
■保育園目線で考える
次に、少し目線を変えて、保育園の採用担当者の立場に立ってみましょう。
保育園の教育方針や理念などを読んでいると、園から求められている保育姿勢や、求められる人物像がなんとなく見えてきます。
「この園は、音楽教育に力を入れているから、音楽に知見ある保育士を求めている。自分は長年ピアノを習ってきたから、その部分をアピールしよう」というように、園のニーズに合わせた自己PRを考えるのもひとつの方法といえるでしょう。
園に求められているスキルを提示することは、分かりやすく「貴園にとって、自分はプラスとなる人材です」とアピールすることになります。
就職活動だけでなく、今後の保育士人生にも役立つ「自己分析」を
「子どもと触れ合うのが好き」
「未来ある子どものために、仕事をしたい」
保育士を目指す学生の多くの胸に、このような思いがあるのではないでしょうか。
ただ、面接の場は、そういった思いは大前提として扱われます。
だから、より具体的に自分できることや強み、それが保育士としてどのように活きると考えているのかを自己分析から見つけましょう。
自己分析は面接だけではなく、エントリーシートや筆記試験などにおいても、大変役立ちます。
また、今後保育士として生きていくためにも、自分の強みを知り、それを魅力として保育に活かすことは、保育士人生を豊かにしてくれるものとなるでしょう。
「就職活動」を機にぜひ一度、自分を見つめなおしてみてください。

保育に関わる方たちとの交流を通じて、役に立つ情報を発信していきます。
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