保育士の「製作が苦手」を克服するには?コツや製作アイデアも紹介
四季折々の製作品は、子どもたちも喜び、保護者の気持ちも和やかにしてくれるものです。また、製作品は季節の植物や行事を伝える意味でも役立っています。
この製作品は、保育士が作っています。
園舎内の飾りつけだけではなく、子どもたちとも製作をする機会も多く、お誕生日やクリスマスには手作りのカードを用意する仕事もあります。よって、保育士の仕事において製作は避けて通れない道といえるでしょう。
しかし、保育士みんなが、製作が得意というわけではないので、安心してください。
今回は、製作が苦手な人が保育士として仕事をする際のコツについて、解説します!
この記事では、製作が苦手な保育士(保育士を目指す方)に向けて、苦手意識を減らす克服のコツや、すぐ真似できる季節別の製作アイデア、さらにアイデアの集め方までまとめて紹介します。
まずは、保育士が製作するものには、どのようなものがあるかを見ていきましょう。
保育士が作る製作物は?
■毎月の壁飾り
入園のお祝いや七夕、運動会にハロウィン、クリスマスに卒園式と、保育園ではたくさんの行事が開催されます。
子どもたちが季節を感じ、その時期の植物やアイテムを知るきっかけにもなりますから、行事に合わせた製作物を作成し、壁飾りを作る保育園はとても多いです。
また、何気なく飾られているようで、保護者や園見学者にも園の雰囲気を知ってもらったり、園のイメージアップに役立ったりするという面もあります。
■行事の壁飾り
行事の壁飾りは、毎月の壁飾りのなかでも大きめなイベントの際に作る、特別な飾りです。
入園式や卒園式、ハロウィンやクリスマスには、どの園も通常の壁飾りよりも特別感のあるものを用意します。
壁飾りだけでなく遠足などのレクリエーションや運動会などで頑張った子どもたちへの手作りメダルや、お誕生日の子どもにプレゼントする手作りカードやプレゼントなども、製作の仕事の一つです。
特別に先生からもらったプレゼントというのは子どもにとって宝物になりますし、保護者にとっても大切に保管しておきたいものとなりますから、製作サイドとしては喜んでもらえるものをと力が入るものといえるでしょう。
それだけに、プレッシャーを感じる仕事かもしれませんが、楽しんで製作していきたいですね。
■製作遊びの見本
子どもと製作遊びをするときに、まずは保育士が作った見本を見せるのが一般的です。
見本として見せるのですから、それなりに上手に作ったものを用意したいですよね。
ただ、あくまで子どもの製作ですから、大人である保育士が取り組めば簡単に作れるものが多いので、心配する必要はありません。
製作が苦手な人でも、ゆっくりと落ち着いて取り組めば、きちんと作ることができます。
子どもたちにも人気の動かして遊べるタイプの製作品見本を作るときは、その仕組みを見せられるように完全には仕上げないなどの工夫も必要です。
子どもたちにわかりやすく製作物のイメージが伝えられるように、見本製作をしていきましょう。
■誕生日表
誕生日表は、子どもたちの誕生日と顔写真を、折り紙などで装飾したポスター的なものです。子どもたちが一目で「今日は〇〇ちゃんのお誕生日」とわかるようにすることを目的としています。
字が読めない年齢の子どもでも写真が貼ってあればすぐにわかりますし、子ども自身も自分の写真が貼られているということを喜んでくれます。
写真を貼ると装飾するスペースを小さくすることもできますし、教室もぐっと華やかになりますから、顔写真つきの誕生日表は製作時間を短縮したい保育士にも、子どもたちにも嬉しいものといえるでしょう。
以上が、保育士が手掛ける主な製作品です。
製作の中には、イラストを使用するケースも多いので、ちょっとした絵が描けるとよいでしょう。
絵心がないという人の場合は、こちらもインターネット検索などで図案などを参照し、まずは描いてみてください。
イラストも製作と同じように、数をこなすことで上達しますので、前向きに取り組んでみてください。
季節ごとのおすすめの製作アイデア
■春の製作アイデア
行事や春のモチーフ(桜・いちご等)が豊富な季節。環境の変化で不安になりやすい時期なので、明るい色使いで安心感と期待感を高める製作
- ひな人形:折り紙の着物や、トイレットペーパーの芯を利用した立体お雛様
- 桜の木:指スタンプやタンポを使って桜を表現、共同製作にも最適
- こいのぼり:布やビニール袋に色とりどりのウロコをつける
■夏の製作アイデア
梅雨や七夕、夏の太陽を楽しむ季節。水・感触遊びの延長で涼しげな素材や大胆な色を使い、暑さに負けない元気な表現を引き出す製作
- あじさいと傘:折り紙のちぎり絵、にじみ絵(水性ペン等)で雨を表現
- 七夕飾り:吹き流しや網飾り
- 花火のはじき絵:クレヨンで花火を描きその上から黒や紺の絵の具を塗る
■秋の製作アイデア
行事や自然物との触れ合いが楽しい季節。散歩で拾ったどんぐりや落ち葉を素材に取り入れ、秋の色や感触を五感で味わいながら製作
- とんぼ:割り箸やストローに透明なクリアファイルの羽をつける
- ハロウィン:かぼちゃのバッグや、折り紙のオバケ
- みのむし:拾った落ち葉や小枝をトイレットペーパーの芯に貼る
■冬の製作アイデア
クリスマスや正月、節分などイベントが多い季節。寒さのなかで毛糸や綿などあたたかい素材を使い、一年の終わりや新年を祝い楽しんで製作
- クリスマス:紙皿リース、松ぼっくりのミニツリー
- 雪だるまと手袋:白い絵の具のスタンプや、毛糸を通したあたたかそうな手袋の壁面飾り
- 節分の豆入れ・お面:紙袋や紙皿で鬼の顔
製作の苦手を克服するためのポイントは?
このように、製作品作成は保育士の仕事のなかでも大切な役割を果たしています。
「自分は手先が不器用で、製作は苦手だから保育士にはなれないのでは?」と不安に感じる人もいるかもしれません。しかし、保育士として仕事をしている人が全員製作上手というわけではありませんから、安心してください。
保育士の製作を助ける本やアプリなどを参考に、みんな自分ができる範囲で作業に取り組んでいますから、大丈夫です。
ここからは、製作への苦手意識を和らげるための考え方や工夫、役立つツールをご紹介します。
■保育雑誌やサイトを参考にする
保育雑誌や書籍、保育サイトでは、さまざまな製作品のアイデアが掲載されています。
そのような記事では準備する材料や必要になるサイズまで、詳しく解説されていますから、忙しい業務の合間に製作作業を行う保育士には心強い味方といえるでしょう。
オリジナルの製作物を続々と作り出せる保育士は、現在活躍中の保育士のなかでも数えるほどです。
専門誌などのアイデアを借りて、時短しながら効率よく製作に取り組めるようにしていきましょう。
インターネットを上手に活用することで、さまざまなアイデアが入手できる時代です。
積極的に製作品のアイデアを蓄積していくことで、製作を楽しめるようになるかもしれません。
■専用アプリを活用する
最近では、製作アイデア集などの専用アプリも充実しています。
全国で活躍する保育士が自分のアイデアを投稿するアプリでは、現場で実際に使われているアイデアが掲載されていますから、困ったときに大変役立ちます。
製作手順の解説が掲載されているものもありますから、ぜひ参考にしてみてくださいね。
自分の製作品に自信がついたら、今度はアプリに投稿してみるのもよいでしょう。
投稿作品のアクセス数が見られたり、コメントをもらったりできるアプリもありますから、モチベーションアップにも役立ちますよ。
■図案を先に作成する
壁面飾りのような大物を作るときには、多少手間に感じるかもしれませんが、最初に構成図案をしっかり作るようにしましょう。
図案で配色や、バランスについてチェックしておき、何か改善点がありそうなときには構成段階で修正しておけば、いざ大きな紙で製作を始めるときに大変役立ちます。
雑誌やインターネットに型紙がついている場合は、それを拡大コピーして使うのもよいでしょう。
型紙を手書きで写す場合は、最初に製作手順を確認したうえで、書き写すようにしましょう。
このときのポイントとしては、あまり神経質にならずに、細かなことを気にしないことです。
「これでいいのかな?」「ちょっとズレちゃった」と、あまり細かく気にしていると、なかなか作業が進まず苦しくなります。
多少はズレていても、最終的に製作したいものの形から大きく外れていなければ、大丈夫です。
少し大胆に進めるのが、製作のコツと考えましょう。
■細かい作業が不要な製作物を選ぶ
手先が不器用で製作に自信がない、という場合は、慣れるまではシンプルな製作物を作成していきましょう。
いきなり大作にチャレンジして、うまくいかなかったと落ち込むよりは、簡単でシンプルな製作物から作っていったほうが間違いありません。
製作回数を重ねることで、だんだんと段取りやコツがわかるようになります。
少し自信がついたところでレベルアップしていけば、製作品に対する苦手意識も克服できるでしょう。
■製作物がきれいに見えるコツを押さえる
製作物を作るときには、いくつかのコツがあります。
コツを押さえることで同じ製作物でも手の込んだものに見えたり、センスを感じさせる仕上がりを実現することができます。
・色のトーンを合わせる
一つ目のコツは、色のトーンを合わせることです。
壁面飾りの場合、色画用紙で製作することが多いのですが、見栄えよく作成するためには色の選び方が大変重要です。
パステルトーンやビビッドカラーなど、色のトーンを揃えるだけで簡単に統一感を出すことができます。
また、同系色で色味を少しずつ薄くしたり、濃くしたりすることで、立体感ある壁面飾りを作ることも可能です。
簡単ですが、ひと手間加えるだけで仕上がりが大きく変わりますので、ぜひ取り入れてみてください。
・異素材のものを組み合わせる
色画用紙をベースとして製作する場合でも、リボンや布、フェルトなどの異素材をポイントとして取り入れていくと、見栄えがぐっとよくなります。
折り紙を使うときにも、ホログラムやホイルのものを取り入れると、見ているだけで楽しい壁面飾りを作ることが可能です。
黒い色画用紙に、ホログラムやホイルの折り紙をグラデーションで貼りつけて花火を作るといったアイデアも、簡単で華やかになりますから、おすすめですよ。
製作テーマの引き出しを増やす!多様化のアイデア
季節や行事の製作は取り入れやすい一方で、毎年同じ内容になってしまったり、アイデア切れを感じたりすることもあります。そんなときは、一般的なテーマをもとにさまざまな製作へと派生させる「多様化」をすることで、製作の幅が一気に広がります。ここでは、季節・行事以外の切り口や年齢別の考え方など、明日から使える多様化アイデアを紹介します。
■季節・行事以外のアイデア
自然:天気・植物・虫などを観察し、「風車」や「てるてる坊主」など自然現象を体感できる製作につなげる
生活:食べ物・服・乗り物など身近な題材を扱い、「紙皿におうちごはんを盛り付ける」など日常を表現する
発達(育ち):「指先・感触・色・形」など、伸ばしたい力(ねらい)に合わせて素材や技法を選定する
絵本・物語:読み聞かせの印象的な場面を再現し、登場人物やアイテム(『はらぺこあおむし』の食べ物など)を形にする
■年齢別の考え方
テーマが同じでも年齢で『ねらい・工程・素材』を工夫すれば、活動が広がります。例として『花』をテーマに年齢別の展開を紹介します。
| 年齢 | ねらい | 工程 | 製作例 |
|---|---|---|---|
| 0~2歳 | 触感を鍛える、のびのびと表現を楽しむ | 1~2ステップ 貼る・押す・つまむなど単純動作 | 指スタンプや手形で花びら |
| 3~4歳 | 自分で選び組み合わせイメージして取り組む | 2~3ステップ パーツを選ぶ・並べる・貼る等 | 好きな色の花びらパーツを選んで構成 |
| 5歳前後 | 目的意識(誰に/何に使うか)を持ち協力する | 3ステップ以上 下書き→組み立て→仕上げ等工程を意識 | 母の日のプレゼントのフォトフレーム |
■同じテーマでも切り口を変える
「花」「乗り物」「動物」等のテーマは、用途やサイズ・材料を変えるだけで別の製作になります。
| 切り口 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 用途 | 飾る | 壁面、モビール |
| 遊ぶ | ごっこ遊びの小物、的あて | |
| プレゼント | フォトフレーム、キーホルダー | |
| サイズ | 大きく | 模造紙・段ボール等を使った共同作品 |
| 小さく | 名札サイズ、シールサイズ、紙コップで立体ミニ作品 | |
| 素材 | 変えると表現も変わる | 紙×布×自然物×廃材 |
製作アイデアを集める方法は?
アイデアは、必要になってから探すよりも、普段から少しずつストックしておくほうがよいでしょう。ここでは、忙しい中でも無理なく続けられる集め方を紹介します。
保育系サイト・雑誌:季節別・年齢別の特集ページをチェック、気になるテーマをメモ
SNS(Instagram/X/Pinterestなど):「#保育製作」「#幼児工作」等で検索、画像を保存
研修・先輩保育士の実践:気になった壁面や作品は写真を撮り、「ねらい・年齢・使った素材」もメモ
絵本・子どもの会話・遊びから:園児がハマっている絵本・ごっこ遊びをテーマにする
製作におけるモチベーションを高めるには?
製作に対する苦手意識が強くても、保育士として仕事をしていくなら製作技術は必要なスキルです。
製作は回数を重ねればだんだんと上達していきますし、コツや手順も自分なりのマニュアルのようなものができ、どんどん簡単にできるようになります。
大切なのは、その域にたどり着くまでに、製作嫌いになってしまわないような工夫です。
製作のモチベーションを高く保つためにできる工夫には、どのようなものがあるのでしょうか。
■製作日記を作る
自分が作った製作品をすべて写真にとり、日記に残す製作日記作りは、モチベーションアップに大変役立ちます。
壁面飾りなどは、その時期が終わると撤去されてしまいますから、記録として写真を残すようにしましょう。
ここで大切なのは「記録を残すことを楽しむこと」です。
記録をつけなきゃと考えると、それが負担になり、余計なストレスになってしまいます。
作成した日時と、余裕があればコメントを一言残しておく程度でかまわないので、気軽な気持ちで取り組んでみてください。
あとから見返したときに「最初はこんな感じだったのに、ここまでよく成長したよね!」「着実にレベルアップしてる!」と、改めて実感できるでしょう。
■友人と一緒に製作する
製作がどうしても苦手で辛いという人は、同僚や保育学生時代の友人に相談したり、一緒に製作したりするのも一つの方法です。
一人で悩んでいるよりも、たくさんの人の意見を聞くことで、解決策が見えてくることもあります。
自分では思いつかないようなアイデアや、アドバイスを受けることで、自分の製作物に対する客観的な視点を身につけられるでしょう。
■可愛いツールを選ぶ
製作にははさみやペン、テープなどが必須となります。
製作に対するモチベーションをアップさせるために、自分のお気に入りのツールを準備してみましょう。
老舗文房具店のツールや、デザインが可愛いもの、キャラクターものなど、手にしていると気持ちが上がるようなデザインのツールを用意します。
文房具に関しては、100円ショップでも可愛いものがたくさん販売されていますし、きちんとした文具店で購入すれば切れ味がとてもよいはさみやカッターなどを入手することができます。
また、あると便利なツールも揃えておくと製作に役立ちます。
たとえば、お花や星の形に型抜きができるクラフトパンチは、短時間で可愛い紙素材を大量生産できる強い味方です。
製作品を華やかにしてくれますし、おすすめです。
コンパスやコンパスカッターも、持っているととても便利なアイテムです。
コンパスは、鉛筆が挟めるタイプではなく、マーカーなども使えた方が、可愛い円が手軽にできて大変便利です。
コンパスカッターは、きれいな丸い円を切りたいときに役立ちます。
ソーイング用のピンキングばさみも、切るだけで可愛くギザギザの形にカットできるなど、製作に役立つアイテムはたくさんあります。
形から入るというわけではありませんが、モチベーションを上げるために可愛いツールを導入してみてくださいね。作って楽しい!見て楽しい!子どもも自分も気分が上がる製作品づくりを目指そう
製作は、慣れてくれば必ず上達します。
製作品は芸術作品や美術作品を作るのではなく、子どもたちが見て楽しいもの、保護者や園見学者から見て園の雰囲気を伝えられるものを作ることを目的としています。
自分が無理なくできる範囲で大丈夫ですから、楽しんでいきましょう!
どうしても困ったときには、子どもたちに手伝ってもらいながら製作物を作るのも一つの方法です。
子ども自身も「自分が手伝ったものが、保育園の教室に飾られている!」というのは、大きな喜びになりますし、保育士側も子どもと製作する経験のなかで「次の製作にはこのアイデアを使おう!」と、アイデアを思いつくきっかけになることもあります。
保育士として仕事をしていくなら、上手ではなくてもアイデアや慣れ、コツなどを蓄積させて、製作を楽しめるようにしていきましょう!
保育に関わる方たちとの交流を通じて、役に立つ情報を発信していきます。
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