大変だからこそ、やりがいが大きい!「保育の仕事」

2022.04.04 | 方針・特徴 | 給料・環境
保育の仕事では、子どもたちの「人生で初めてできた」という瞬間に立ち会う機会がたくさんあります。そのような素晴らしい瞬間に立ち会えることは大きな喜びです。
これは、保育士の仕事の醍醐味といえるのではないでしょうか。

一方で保育の仕事は、業務が多岐に渡ります。
「子どもが好きだから、保育士になりたい」と思ってはいても、仕事としては大変そうと感じ、悩む人もいると思います。

でも、大きな責任があるからこそ、大きなやりがいや喜びを感じることができるのが、保育の仕事です。今回は、保育の仕事で大変なこと、そしてやりがいについて解説します。

1.保育士の仕事とは

1.1保育士の担う役割

保育士の仕事は、就学前の0歳から6歳までの乳幼児を預かり、保護して育てる仕事です。

保護者に代わって安心・安全な環境を守りながら、子どもたちの成長をサポートする保育士という立場には、大きな責任を伴います。

その分、子どもたちが成長していく瞬間を見守ることができる、やりがいの大きな仕事でもあるのです。


子どもたちにとって、保育園での生活は協調性や自主性、道徳観を身につけ、人との関わり方を学んでいくために、必要な場所です。

保育士が協力して子どもたちの成長をサポートし、日常生活において必要な知識を伝え、経験させていくことで、子どもたちは小学校入学に向けての準備を整えることができます。


保育士は、社会生活における基本的なルールを子どもたちに伝え、生活習慣などを身につけさせることも大切な役割です。また、共働き家庭が一般的になりつつある現代において、保護者が安心して子どもたちを預けられる存在として、保育士の仕事は社会的意義あるものでもあります。


祖父母がフォローしてくれたり、地域の人々と協力して子育てをしていた時代から、核家族化が進み、共働き世帯が増加した現代へと、子育てをめぐる環境も大きく変化してきました。

このような社会背景を受け、保育士の仕事は今世の中に必要とされ、今後ますますその需要が高まることが考えられるでしょう。

1.2保育士の具体的な仕事内容について

保育士は、以下のような仕事を日々こなしています。

生活習慣指導

基本的な生活習慣を子どもたちが身につけられるように指導することが、保育士の大切な役割です。


・食事

・排泄

・着替え

・睡眠

・手洗い


特に、乳児保育の場合は、まだ自分では何もできない赤ちゃん時代から預かることになります。

だからこそ、基本的な生活習慣をスムーズに身につけられるようサポートし、指導を行う必要があるのです。

■体力や知力を伸ばす

子どもたちの体力や、知力を向上させるための取り組みを行うことも保育士の仕事です。

身体を使った園庭遊びや遊具遊び、絵本の読み聞かせや制作、歌や楽器を演奏するといった音楽活動など、様々な取り組みを通して子どもたちの能力を伸ばしていきます。

社会生活におけるルールを教える

あいさつや、順番を守るといった集団生活のルールや、信号を守るなどの交通ルール、乗り物でのマナーなど、社会生活を送る上で守るべきルールはたくさん存在します。

このようなルールを子どもたちに教えることも、保育士の仕事です。

■保護者のサポート

それぞれの家庭状況を理解し、子どもだけでなく保護者をサポートすることも、保育士の仕事です。

家庭支援の一環として、日頃から子どもの体調や精神的な安定についてしっかりと見守り、変化があればそれを保護者に伝えることもあります。

保護者とは適度な距離感で、心地よい関係性を構築していくことが大切です。

適切なコミュニケーションを取りながら、信頼関係を構築していくことは難しい面もありますが、保護者にとっても、そして保育士自身にとっても良好な関係性を築くことはプラスに作用します。

2.保育士の仕事で大変なこと

保育士の仕事で大変なことには、どのようなことがあるのでしょうか。

2.1子どもたちとの関わり方が難しい

保育士の仕事でもっとも大変であり、難しさを感じるものとして「子どもたちとどのように関わるか」が挙げられます。


保育園には、なかなか心を開いてくれない子やすぐにケンカをしてしまうタイプ、集団活動に参加したがらないなど、様々なタイプの子どもがいます。

このような子どもと向き合うときに大切なのは、子どもの気持ちに寄り添い、上手に促しながら、子どもが自分で行動を改善しようと思うようになるまで見守ることです。


新人保育士の場合は「何とかしなくては」と焦ってしまい、子どもたちへの対応に悩むケースも多いようですが、先輩保育士にアドバイスを求めながら、自分なりのスタイルを確立していきましょう。


子どもも、保育士も人間です。

「こうすればOK」という正解はありませんから、自分にあったスタイルを見つけることが、保育士として長く活躍し続けるためには必要であると考えてください。

2.2保護者対応

保護者と連携を取ることも保育士の大切な仕事の一つです。

保育園の送迎時やイベント、個人面談や参観日、アクシデントが起きた際など、保育士には保護者と関わる場面が多くあります。


保護者の中には、子どもを大切に思うあまり、保育士に対して「この子とはクラスを別にしてほしい」「保育士の対応が不満だ」など、対応が難しい課題に直面する可能性があります。

保護者とトラブルが生じたときには、一人で抱え込まずに先輩保育士や園長などの力を借りて、解決していきましょう。

2.3業務量の多さ

保育士の仕事は、その業務量の多さでも知られています。

保育活動はもちろん、清掃や指導案作成、園児管理、制作やゲームなどのアイデア出しや準備といった多種多様な仕事を保育士はこなす必要があるのです。

業務量が多いため、どうしても労働時間が長くなりがちですが、最近では保育園システムなどのアプリを活用し、業務を効率化する動きも活発化しています。


時間を上手にやりくりして、効率化できる業務はアプリなどで自動化するといった工夫をしながら、自分のリフレッシュタイムや、子どもたちと向き合う時間を確保するようにしましょう。

2.4給与面

保育士は、子どもたちの成長を守る社会的意義の大きな仕事です。

しかし、その責任の重さに対して給与が安いことが、近年社会問題として取り上げられています。


保育士になりたいけれど、給与面が心配という人もいるでしょう。しかし、最近ではそのような状況を重く見た政府も、保育士の処遇改善に力を入れるようになりました。

政府の取り組みを受け、各保育施設においても職員の処遇改善に向けた活動が進められていますから、今後保育士を取り巻く状況は改善していくことが期待されます。

2.5職場の人間関係

保育士の職場は、女性率が高い傾向にあります。

小規模園の場合、特に職員の人数自体が少ない傾向にありますから「人間関係が原因で離職してしまった」というケースも珍しくありません。

ただ、人間関係というのは保育士に限らず、どこの職場でもついて回る問題です。


良好な人間関係を築くために、まずは積極的にコミュニケーションを取ることから始めましょう。

保育士の人間関係が良いことは、何となく子どもたちにも伝わり、クラス全体、保育園全体の雰囲気を和やかにします。

職場の人たちのいいところを見つけながら、日々感謝の気持ちを伝えることで、職員同士の信頼関係を構築していきましょう。

2.6園とのミスマッチ

保育園の方針と、自分が理想とする保育があまりにも大きく違っていると、それがストレスになるケースもあります。

保育理念をよく理解したつもりで就職しても、実施されている保育内容が自分の行いたいものではなく、「自分は音楽をもっと取り入れた保育をしたい」「ICT教育にチャレンジしてみたい」など、自分の目指すキャリアと合致していない可能性があります。


保育理念に共感している場合は、自分が挑戦してみたい保育内容を、自分なりに提案してみるのもいいでしょう。場合によっては、実際に取り組ませてもらえる可能性もあります。


保育理念と自分の保育観があまりにもかけ離れている場合は、自分の保育観に近い園を探し、転職するのも一つの方法と考えてみてください。

3.保育士のやりがい

大変なこともたくさんありますが、保育士の仕事はやりがいも大きなものです。

3.1子どもの成長を見守ることができる

子どもたちは、毎日成長していきます。


「一人でご飯が食べられるようになった」

「泣いてばかりだった子どもが、ある日泣かずに登園するようになった」

「先生、と初めて呼んでくれた」

「逆上がりができるようになった」


小さな成長に、日々触れることができる保育士という仕事に従事できることに、喜びを感じる人も多いようです。


また、子どもたちにとって保育園の先生は、人生において「初めての先生」となります。

印象深い思い出として記憶に残ることも多いため、卒園してからも顔を出してくれる子どもたちも多くいます。

成長した子どもが、わざわざ会いに来てくれるというのは、保育士冥利に尽きるのではないでしょうか。

3.2子どもたちの笑顔

子どもが好きで保育士を目指した人にとって、日々子どもたちの笑顔に囲まれて過ごすのは本当に幸せなことです。

辛いことや大変なことがあっても、子どもの笑顔を見て「頑張ろう!」と思える保育士はたくさんいます。

3.3保護者からの「ありがとう」

保育士の仕事をしていると、保護者から感謝の言葉をかけられることも多くあります。


運動会などの大きなイベントで感謝されるだけでなく、日々の何気ないやりとりの中で「ありがとうございます」と声をかけられるというのは、保育士にとって大きな喜びです。

また、育児の専門家である保育士は、保護者から相談を受けることも珍しくありません。

相談を受けるということは、保護者から頼りにされているということです。

自分の知識や経験から育児へのアドバイスをすることで、保護者に感謝される経験というのは、保育士にとっても嬉しい瞬間といえるでしょう。

3.4イベント成功時の喜び

保育園では、1年を通してたくさんのイベントを行います。

入園式、遠足、運動会、夏のお楽しみ会、お芋ほり、音楽会、クリスマス会、展覧会、卒園式など、各園によって様々なイベントが行われ、保護者にとってもそれは大きな楽しみとなっています。


イベントを準備する保育士は大変ですが、子どもたちが楽しむ姿が見られたり、保護者から感謝の言葉をかけられることで大きな達成感につながります。


自分たちが手作りしたイベントが成功した後の喜びは大きく、忙しかった日々を振り返って「頑張って良かった!」という満足感を得ることができるでしょう。

3.5自分が社会貢献しているという実感

保育士の仕事は、社会的意義の大きな仕事です。

まず、仕事をしている保護者を支えているのは、保育士であるということを考えてみましょう。

保育士がいるからこそ、保護者は安心して仕事ができるのですから、保育士は間接的に社会貢献しているということになります。

また、未来を担う子どもたちの成長を支えているというのも、社会貢献の一つにつながります。


卒園生が大きくなって園に遊びに来てくれたときや、卒園生が社会で活躍する姿などに、自分たちの社会的意義を改めて実感することもあるでしょう。

4.子どもたちの健やかな日々を守り、未来へとつなぐ保育士の仕事

実の両親でさえ大変な乳幼児の保育を行うことが保育士の仕事です。

しかも、相手は一人や二人ではありません。

保育士は、「保育のプロ」ですが、プロであっても保育の仕事を始めたばかりの新人にとっては対応に悩む場面もたくさんあるでしょう。

そのようなときには、先輩保育士のアドバイスを受けながら、経験を重ねていってください。

1年目、2年目と経験を重ねていくうちに、落ち着いて業務に取り組めるようになり、今まで見えていなかった発見や喜びを感じられるようになるはずです。


保育士は、子どもたちが成長していく姿や、保護者からの感謝の言葉に日々触れながら仕事に取り組める、やりがいのある仕事です。

子どもたちとともに自分自身も成長していく経験は、かけがえのないものとなるでしょう。

この記事を書いた人
えんみっけ!事務局長 Y.T
「えんみっけ!」の開発・運営の責任者(園児の子どもを持つパパ)です。
保育に関わる方たちとの交流を通じて、役に立つ情報を発信していきます。

ユーザー登録がまだの方はこちら 登録済みの方はこちら