園見学で見ておくべき「設備面」のポイント
実際に園を訪問したとき見るべきポイントの一つが、設備です。
本記事では、園見学の際に特に設備に関して、どのような点に注目して見学すべきか、そのポイントを分かりやすく解説します。ぜひ園見学の際、参考にしてください。
園の見学で見るべきポイントの一つは「設備」
就活生や転職希望者が園見学を行う上でチェックすべき重要ポイントはいくつかあります。
- 保育方針/保育内容
- 園児の様子
- 園長や職員の雰囲気
- 清掃や管理は行き届いているか
- おもちゃや絵本の充実
- 制作物や壁面装飾
- 危機管理や安全対策をしているか
さまざまなポイントを見る中で、保育内容や子どもたちの動き、職員の動きの上で欠かせない動線である保育室設備、危機管理や安全対策に関する設備、遊具、職員室や給食室など、設備に関してもチェックしておかなければいけないでしょう。
本記事では、園見学で見ておくべきポイントを「設備」にフォーカスを当てて解説いたします。
合わせて、園見学の流れと見るべきポイントの詳細はこちらもチェックしましょう↓
設備が充実した園で働くメリットとは?
近年では、新園オープンや、老朽化からの建て替えなどによる設備充実の園もよく目にします。保育士や幼稚園教諭にとっても、設備が充実している園というのは非常に重要な意味を持ちます。
では実際にどのようなメリットがあるのでしょうか。
メリット1:保育の幅が広がり、質が上がる
保育の幅を広げるため、また質を上げるために、設備の良し悪しは切り離すことのできない要素です。
例えば、ゆったりした保育スペースがあれば、保育室のコーナー分けができます。キッチンコーナー、絵本コーナー、ブロック玩具コーナー、電車・車コーナー、製作コーナー、お人形コーナーなどをそれぞれ充実させることで、子どもが自分で選んだ遊びを集中して行うことが可能です。
また、食育に力を入れている園では、給食室(調理室)を日頃から子どもがガラス越しに見ることができたり、交流を持ちやすい工夫がされているところもあります。
園庭やプランターで野菜や花を育てている園や、子どもたちと動物を飼育する園もあるでしょう。カフェコーナーがあり、地域の方が利用できる交流の場としている園もあります。
このように、設備が充実している園では、子どもにさまざまな体験を提供できます。
また、危機管理や安全対策の設備が整っている場合、整っていない場合に比べて子どもの安全を守れる可能性は高まります。
メリット2:働きやすい環境になる
設備が整っていて保育の幅が広がるということは、子どもたちにとって快適であるだけでなく、職員にとっても働きやすい環境といえます。
例えば、最近では保育園でもIT化が進んでおり、園によっては保護者の送り迎えや子どもの急な休みの管理、子どもの様子の記録、保護者との連携などが全てITシステムによって一括管理されている場合があります。
その場合、いくつもの書類に手書きで記録しなければいけない煩わしさや、連絡ミスや記入ミスなどによるヒューマンエラーが減らせるでしょう。これにより、保育士の負担がかなり減り、業務効率の向上が見込まれます。
また、職員の休憩スペースや事務・着替えスペースなどが充実していれば、休憩時にはしっかり休憩でき、事務仕事にも集中できる環境が整います。このような環境は、働きやすい充実した環境と言えるでしょう。
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園の設備を見るときに何を考えるべき?
園見学の際は、どのようなポイントで、何を基準にチェックすべきかを見てみましょう。
自分のしたい保育ができそうか・自分の保育観に合っているか
園見学に行く前に、自分のしたい保育をイメージしておくと良いでしょう。自分の保育観にあっているかどうか、それを実現できそうな設備かどうかは、非常に重要です。
例えば、主体性を育みたい、子どもたちが自分でおもちゃを選び集中して遊ばせたい、と思っているのなら、保育室が狭くコーナー分けが難しいために、保育士が「今日使える遊具」を決めて遊びを制限している園とは、保育観が合わない可能性があります。
また、子どもの動線が確保されているか、落ち着いて遊べる空間づくりの工夫、子どもが自分でおもちゃを取り出し、お片付けしやすい工夫などされているか、しっかり確認しましょう。
保育室にどのような工夫をしているかを質問すると、園の理念や保育目標に基づいた特徴などが分かるかもしれません。
働きやすそうか
保育室の動線や園内の設備は働きやすさに影響します。保育室での、職員の動線も確認してみましょう。
例えば、0歳児の場合、調乳室との兼ね合いや、ベッドルームとプレイルームの分け方、収納スペースなども含めて、効率良く動ける工夫がされているかが重要です。
保育中だけでなく、事務仕事をするときは?休憩時は?ミーティングルームは?職員用のトイレは?更衣室は?など、さまざまなシチュエーションを想像しておきましょう。
園の設備でここを見ておこう!おもなチェックポイント
それでは、実際にどこを見ていけば良いのか、おもなチェックポイントを見ていきましょう。
保育室の様子
まずは、保育室の設備のチェックポイントです。
絵本やおもちゃなどの内容
絵本やおもちゃは充実しているか、発達段階に見合った絵本がセレクトされているか、充分な収納場所があるか、子どもが見やすく取り出しやすい位置にあるか、などをチェックします。
また、破れていたり、壊れかかっている絵本が放置されていないかも確認しましょう。
管理が行き届いているか、日頃から丁寧に扱っているかを垣間見られます。
部屋の区切られ方・配置
保育室の区切られ方や配置がどうなっているか、しっかりチェックしましょう。普段の保育活動や理念など、こだわっている部分が一番反映されるところです。
見学中に質問すると、こだわっている部分など参考になる話が聞けるかもしれません。
都心では、なかなか思うような広さはとれませんが、ゆったりスペースをとっているか、動線を工夫しているか、各コーナー分けの充実などはとても重要です。
また、ワンフロアで年齢別に簡易的に区切っている場合は、見通しが良く園全体を把握しやすいけれど、他のクラスの声が聞こえて子どもたちが集中しにくい、などのデメリットがあります。
収納
意外に盲点なのが、収納です。
収納は、職員の保育動線に関わり、スムーズで安全な保育を行うためには重要なポイントです。
季節のものやときどきしか使わないもの、子どもたちの布団などを管理する上で、別室に物置があるよりは、保育室に収納がある方が出し入れがスムーズです。
また、保育活動や生活の中での動線、例えば洗面台周辺の収納はどうなっているか?タオル掛けやコップ掛けは?など、子どもの動線も見るようにしましょう。子どもが自分で自分のロッカーと荷物を把握するべきとき、出し入れしやすいか、絵本やおもちゃの出し入れはどうか、なども確認しておきたいポイントです。
収納は、動線だけではなく安全面にも影響します。
置き場所がなく保育室の棚の上にいろんなものが散乱している園より、棚の上は必要最小限のものだけにしてスッキリしている方が、安全面もしっかりしている保育園と言えます。
子どもの作品の展示
子どもたちの作品を展示する園は多いかと思います。
どの程度飾っているのかもチェックしてみましょう。保育目標やこだわりポイントに基づいている場合があります。
例えば、作りかけの作品を「続きを作りたい」という子どもの気持ちを尊重してそのまま飾っておく園もあれば、1日で途中でも完成させ、家に持って帰ってもらう方針の園もあります。
子どもたちの展示についても考え方や大事にしていることを質問してみましょう。
部屋の装飾
保育室の装飾に関しては、園によって方針が分かれるところです。
家庭に近い落ち着いた雰囲気を方針とし、あまり装飾をせず、木のぬくもりや自然を感じる温かい雰囲気を大事にしている園や、同系列園で統一した雰囲気を出すための装飾をしている園もあります。
最近では、壁面装飾はいっさいしないか、シンプルに子どもや職員の紹介や誕生月の掲示のみで、子どもたちの作品や手形足型アートのみ飾っている園も多いようです。
また、季節を感じる楽しい演出もまた、壁面装飾の良いところですが、保育士の負担が増えてしまうかどうかも重要なところです。
例えば、ラミネート加工されていて使いまわしをしているか、毎年担任がゼロから考えて制作しなければいけないかでは大きな差が生まれます。
「この素敵な壁面装飾は毎年手作りされているのですか?」など質問しても良いでしょう。
その他設備
子どもたちの遊びが広がる設備も確認してみましょう。
ホールとピアノがある、アスレチックマットやジャングルジムがある、など、子どもたちの活動の幅が広がるものや場所があるかどうかも保育内容に関わってきます。
また、マット素材はどんなものを使用しているか、危険と思われるコーナーにクッションカバーをしているか、などもチェックしましょう。日頃の子どもたちの安全対策はどのくらい考えられているのかが垣間見えます。
また、近年保育園では、保育士不足解消の施策の一環として国が推奨しているDX化を進めている園もあります。
業務効率化、事務作業の軽減を目的として、ICTシステム(「Information and Communication Technology」の略語「情報通信技術」のこと)を導入しているのです。
このシステムでは、園児の登降園管理や職員の勤怠管理、園児台帳などの情報管理に利用されています。これらがほぼアナログ管理の園は、手書きの事務作業が多く、伝達ミスなどのヒューマンエラーもあり得ます。
ICTシステムが導入されているかアナログかには、事務的な負担に大きな差が生まれます。
園庭など屋外
園庭や屋外も確認しておきましょう。
ベランダやテラスなどの手入れが行き届いているか、子どもの遊びの動線はどうか、など確認します。プランターでお花や野菜を育てている園や、夏場の水遊びなどに使用している園もありますので、見せてもらいましょう。
地方の園では、広々とした園庭で子どもが思いっきり体を動かすように作られている場合が多いです。
わんぱくに育ってもらいたいという想いを込めて、山や木に登れるようにしている園もあります。園庭のこだわりも質問してみましょう。
都心にありがちなビルの中の保育園の場合、廊下や玄関、ビルのエレベーターやエントランスなど、戸外散歩のときの動線も見ておきます。子どもには危険がいっぱいの通路だったり、動線が悪かったり、といった場合があります。
トイレ
トイレを見ればその園の雰囲気が分かると言われるほどに、トイレは職場の雰囲気を表します。よく整理整頓され、清潔で子どもが安全に使用しやすいよう工夫されているトイレのほうが、安心して保育ができます。
消毒液の保管やおむつの処理など、職員の仕事の仕方も観察してみましょう。
スタッフ用のスペース
確認しておくべきポイントは、保育室や園庭など、保育活動だけではありません。保育以外での業務スペースや休憩スペースなども重要なポイントです。
職員室・スタッフルーム
職員室や事務室、スタッフルームなどは充分に確保されているか確認し、可能であれば見せてもらいましょう。
PCは何台あるか、書類保管などはどうしているか、机などの作業スペースはあるか、などチェックします。
園によっては、事務所は園長と主任が座ればいっぱいになってしまい、職員室がない場合もあります。そのような園では、事務作業や制作の作業を保育室で行うことになり、集中できないかもしれません。
また、PCの台数が少ない場合、他に使っている先生がいると使いたくても使えないなどの不便があります。
更衣室・休憩室
更衣室や休憩室も、可能であれば見せてもらいましょう。
休憩室が狭いかほとんどない場合、休憩時間にくつろげないかもしれません。更衣室がなくて、着替えるときだけカーテンを閉める、といった園もあります。
ロッカールームがきちんとなくて、かごに職員の私物を入れている園もあります。このような場合貴重品が気になります。
また、保育に1日とられて気が休まらない園よりは、順番に保育室を離れて休憩をしっかりとる方針の園の方が、ストレスをためにくく、働きやすいでしょう。
重要なことですので、「休憩時はどこで過ごされるのですか?」などと質問しても良いでしょう。
まとめ
園見学の際に見ておくポイントとして設備面にフォーカスし、確認すべきことを解説しました。
設備を見ることは、理想的な保育ができるかどうか、働きやすい環境かどうかなど、重要なことと密接に関係しています。
自分の理想の保育感や働き方を考えたときに、見学する園ではそれが叶いそうかどうかという視点で、設備を確認してみてください。
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